活断層地震の確率、九州は30年内に30~42%
政府が新評価

2013/2/1付
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 政府の地震調査研究推進本部は1日、活断層が起こす地震の確率を初めて地域別に見積もり、まず九州地方の評価を公表した。今後30年以内にマグニチュード(M)6.8以上が地域内のどこかで発生する確率は、九州の北部(福岡市など)が7~13%、中部(大分市や熊本市など)が18~27%、南部(鹿児島市など)で7~18%。九州全域では30~42%となった。最大でM8.2程度と推定している。

 1年以内に関東地方の結果をまとめ、近畿や中部など全国8~10地域を10年かけて調べる。短い断層も含めて全国で200~300の活断層が調査対象になる見通し。政府が現在公表する断層の2倍以上の数となり、自治体や企業はきめ細かな防災対策が求められそうだ。

 政府はこれまで長さが20キロメートル以上ある全国110の活断層ごとに地震の確率を発表してきた。この長さはM7以上の地震を起こすが、活断層の地震は間隔が1000~1万年程度。個々の発生確率は30年以内では、ほぼゼロから数%が多かった。

 今回は短い活断層や地下に潜む断層、周辺の断層のいずれかが動く場合なども想定。地域全体でいつ地震が起きるかを初めて調べたところ、高い確率になった。

 確率には東日本大震災や南海トラフ沿いの巨大地震のような海側のプレート(岩板)境界で起きる地震の影響は反映していない。今後は震度6弱以上の揺れが襲う範囲を地図にまとめる予定だ。

 九州には九州電力の玄海原子力発電所と川内原発がある。原発は最大の揺れに備えて対策をとっているので地震の確率が上がっても影響はないという。

 地震確率を地域別に公表するのは、全国どこでも地震が起きるとの意識を徹底するためだ。背景には地震リスクの過小評価を避ける狙いがある。

 活断層は個々で見ると地震の確率は海底のプレート境界で起きる南海地震(60%程度)や東南海地震(70~80%)と比べると極めて低くなる。住民の油断や防災意識の低下を招きかねないと心配する声もあった。

 また、過去には評価対象外の活断層で新潟県中越地震(2004年、M6.8)などが起きている。国内に2000以上ある活断層のどれが動くかもよく分かっていない。

 このため政府は短い活断層にも評価を広げる方針を決定。さらに、地震はどこでも起きるとの考えに立って、個々の断層の評価だけでなく地域一帯の危険度を公表する検討を進めていた。その目的を「周辺の活断層を地域単位で総合評価するため」と説明する。

 九州ではこれまで8つの活断層が評価対象だった。今回、福智山断層帯(福岡県)など15キロメートル以上の9活断層と、水俣断層帯(熊本県、鹿児島県)など10~15キロメートルの11活断層を加えて地域別の地震の確率を求めた。

 ただ、新たな評価であっても確率の数字が小さいから安心してよいということにはならない。政府も「評価には限界がある」と認めている。

 九州大学の松本聡准教授は「地表に現れない活断層の評価や発生確率の算出など、すべての仮定が必ずしも正しいかはわからない。知見を総動員しても地震は予知できない」と指摘する。

 九州は南北で区別しやすいが、近くに活断層がない地域にも同じ確率が示されることについては、区割りが適正かどうかは議論の余地はあるという。

 土木学会の小野武彦会長は「地震が起きやすい日本に住むことを理解し、普段から防災に備えてほしい」と話す。過度に恐れるのではなく、住宅の耐震補強や家具の固定など自治体や個人でできる対策を着実にこなすことが大切と訴えている。

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