共感呼ぶネット販促術 ブログ・写真をこう生かす

(1/2ページ)
2014/2/19 7:00
保存
印刷
その他

 インターネット上の販促活動で「コンテンツマーケティング」と呼ばれる手法が注目を集めている。ブログや画像、映像などを活用して、これまで接点の少なかった新規顧客の開拓などにつなげる手法だ。特定の商品を宣伝する広告とは一線を画し、優れたコンテンツで消費者の共感を得ることで、競合との差異化につながるとの期待が高い。企業や製品のブランド価値を高める手法として広がりそうだ。

JTB、地域の魅力発信

コンテンツマーケティング成功の条件は?
広告のように自社の製品・サービスを前面に出さない
ブログやSNSなど製品・サービスに合ったメディアを選ぶ
製品の作り手やサービス提供者を身近に感じられる内容にこだわる
顧客層に想定する消費者にとって身近な話題などを提供する
コンテンツ製作では丸投げせず、細かなニュアンスにも自社で注意を払うことで内容を充実させる

(注)イノーバや電通などの取材を基に構成した

 JTBのホームページ内にある「交流応援隊通信」は一見すると、地域活性化の事例集の趣だ。全国でも有数の星空が見えやすいことで有名な長野県阿智村。地元住民が当たり前と思っていた星空を観光資源に育てようと奮闘する担当者のインタビューや、町工場で修学旅行の見学を受け入れる大阪府東大阪市の取り組みなど約10の記事が掲載されている。

 阿智村を紹介する記事では、星空を観察するナイトツアーを企画した地元関係者や同ツアーを支援するJTB社員の苦労話が3ページにわたって紹介される。一方でナイトツアーを勧誘する宣伝などは一切しない。JTBブランド戦略推進室の原禎芳グループリーダーは「ホームページを閲覧した消費者に現地の取り組みに共感してもらうことに注力した」と語る。旅行商品でも価格競争が激しさを増す中、価格では比較されない、地域の素晴らしさを伝えることで差異化を図る。

JTBの「交流応援隊通信」は観光資源を生み出す地元関係者の横顔を紹介する
画像の拡大

JTBの「交流応援隊通信」は観光資源を生み出す地元関係者の横顔を紹介する

 セレクトショップ大手のビームス(東京・新宿)のホームページではバイヤーのブログや、店舗スタッフが自分の名前でツイッターやフェイスブックなどのSNS(交流サイト)で情報を発信し続ける。約300人のスタッフがコンテンツマーケティングを担う。ツイッターなどでは自社製品の宣伝は極力控え、「本業の衣料品販売から離れた話題を発信して、スタッフに親しんでもらう」(関根修二プランニングディレクター)。

 ディー・エヌ・エー(DeNA)も3月中に食料品や日用品の電子商取引(EC)サイト「エブリマート」でコンテンツマーケティングを導入する。主要顧客層である主婦の獲得を狙って、家事や子育てに関連した特別コラムを開設する計画。収納方法や家事の時短術、ベビーカーの選び方といった身近な話題を掲載していく。ブログ記事で集めた消費者をエブリマートに誘導することで「3カ月後には月間で1万人以上の閲覧者増加を目指す」(デジタルマーケティング部の大熊智美氏)。

化粧品のエトヴォス、美容コラムで閲覧者増

 自社製品に関連性の強いコンテンツで集客することで、閲覧者数を増やした例も出ている。化粧品メーカーのエトヴォス(大阪市)は昨年10月、自社のホームページ内の美容コラムを刷新。自社製品のPR主体だった内容を改め、目元のストレッチケアといった美容関連の記事をほぼ毎日の頻度で更新するようにした。

 大手メーカーに比べて知名度や取扱店舗数も少なく、リピート客に比べて新規顧客の購入が伸び悩んでいた同社にとって、新規顧客の開拓が課題だった。リピート客の多くはインターネット検索でも「エトヴォス」と打ち込んで、同社のホームページを閲覧していた。新規顧客が同社のホームページを検索したり、閲覧したりする機会が増えなかったため、美容コラムで女性を自社ホームページに引き寄せるコンテンツマーケティングの導入を決めた。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
保存
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる、業界がみえる。非上場企業を含む4200社、67業界のニュースとデータを網羅

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:01
7:00
東北 24日 7:01
24日 7:00
関東 7:01
7:00
東京 7:00
7:00
信越 7:01
7:00
東海 7:05
7:01
北陸 6:00
6:00
関西 6:00
6:00
中国 6:02
6:01
四国 6:02
6:01
九州
沖縄
2:00
1:50

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報