ベンチャー投資額4割減 株公開激減でアジアにシフト
主要20社、09年度637億円

2010/6/22付
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 新興企業を支援するベンチャーキャピタル(VC)の投資額が落ち込んでいる。2009年度の投資実行額は主要20社で計637億円と、前年度に比べて4割の大幅減となった。企業の新規株式公開(IPO)の大幅な減少や業績低迷でVCが投資先を絞り込んでいるためだ。IPOが活発な中国や韓国などでの投資にシフトするVCも多い。資金面から新興企業を支えるVCの投資の落ち込みは、日本市場の低迷につながる恐れがある。

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 主要なVC20社を対象にアンケート調査を実施したところ、09年度の投資額は637億円で、前年度実績の1062億円から40%減となった。

 VCの投資額は07年度の1395億円から、2年で半減したことになる。投資した企業数も566社と、2年前から6割減少した。

 経済産業省の外郭団体の調査でも、09年度の投資額は1000億円を割り込んで、調査開始(1995年度)以来の最低になるのが確実な情勢だ。直近ピークは06年度の2000億円超だった。

 VCは創業間もないが、高い技術力を持つ新興企業などに出資。何年もかけて新興企業の上場を支援する。VCのファンドに出資する機関投資家は、投資先の新興企業が上場すれば、ファンドの償還時に利益を得られる。

 だが09年は企業業績の低迷から国内市場のIPOは19社にとどまり、直近ピークの06年(188社)のわずか1割まで激減した。収益確保の見通しが立てにくくなったためVCが企業への投資を渋り、資金調達が難しくなった新興企業がさらにIPOから遠のく悪循環が起きている。機関投資家も成績の悪化したVCファンドへの出資を手控えている。

 国内市場でのIPOの激減などから、中国や韓国などアジア各国・地域で、ファンドを設立する動きが増えている。ベトナムや台湾でファンドを相次ぎ設立したSBIホールディングスは09年度中に投資拡大を進め、海外投資額は合計130億円と、2年前の2倍以上に増えた。主要20社の投資額全体に占める海外投資の割合は07年度は3割だったが、09年度には4割に上昇した。

 こうした流れをふまえ、日本ベンチャーキャピタル協会は、韓国のVC協会と新興企業の情報公開などで協力する包括的な提携を締結した。

 10年度に計画する国内外を合わせた投資額では、アンケートに回答した11社のうち、10社が09年度を上回った。前年度に比べて環境改善を見込んでいるVCが多いが、国内のIPOの大幅な増加には期待できず、年間で30~40社にとどまるとみられる。

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