日本国債、外国人保有が過去最高水準に 円高の一因
6月末で67兆円弱

2011/9/21付
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 海外投資家による日本国債の保有残高が急増している。6月末時点で前年同月比28%増の67兆円弱と、過去最高水準に拡大した。欧州の財政不安などを背景に安全資産の日本国債に資金が流入。世界各国が保有する外貨準備の合計が初めて10兆ドルを超え、中国など新興国の政府マネーが日本国債に流れ込んでいる面もある。

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 日銀の資金循環統計(速報)によると、期間1年以下の国庫短期証券(短期国債)を含めた日本国債の残高は6月末で901兆円。うち海外投資家の保有額は66兆8600億円と、過去最高の2008年9月の67兆700億円に近づいてきた。投資家別の保有比率も7.4%と1年前の6%から大きく伸びた。

 ■家計の保有減少

 長短国債の内訳は、国庫短期証券が前年比29%増の24兆7400億円、期間が1年超の長期国債は28%増の42兆1100億円だった。一方、家計の国債保有は減少した。

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 海外投資家の日本国債買いは7月以降も続いている。財務省の対内証券投資によると、海外投資家は日本の国債を7月には9400億円を買い越した。8月の買越額は6兆4600億円にのぼり、同省がデータを公表している05年以来、過去最高を記録した。

 売買ベースの外国人の存在感はさらに高まっている。海外投資家の国債売買高に占める割合は約2割、国債先物だと3割を超える。

 海外投資家による日本国債保有は08年秋にかけて民間マネーが流入する形でいったん急増したが、同年9月のリーマン・ショック後の世界のマネー収縮をきっかけに急減。10年3月に47兆円強まで減った。

 その後、反転してきた第1の要因は政府マネーの流入。新興国中心に、膨らんだ外貨準備の運用先として、米国債以外の日本国債や金に資金を振り向ける動きが目立っているという。

 ■世界の外貨準備10兆ドル突破

 国際通貨基金(IMF)によると、各国・地域の外貨準備(金などを除いた外貨部分)の合計は6月末で前年同月比約2割増の約10兆600億ドルと、初めて10兆ドルを突破した。世界的な金融緩和でマネー供給が増す中で、中国などの新興国が通貨安を狙い、自国通貨売り・ドル買い介入を繰り返した結果、外貨準備が膨らんだ。

 国別では、中国が同約3割増の約3兆2000億ドルで、全体の3分の1近くを占める。ブラジルも同3割増、ロシア、台湾、韓国なども同1割増と、多くの国・地域が外貨準備を大きく増やした。

 第2に、足元ではギリシャなど欧州の財政不安が拡大、円資産がリスク回避マネーの受け皿になっている点もある。投資家は株式などのリスク資産から安全資産の国債に資金をシフト。7月以降も、欧州のギリシャ支援問題や米国債の格下げなど欧米の債務問題への懸念が高まり、投資家は円資産の保有を増やしているようだ。

 米欧の債務不安でドルやユーロの信認は低下しており、「為替リスクを分散するため投資家が円資産を増やしており、円高の要因になっている」(SMBC日興証券の末沢豪謙金融市場調査部長)という。

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