原発再稼働、遅れに遅れ 規制委が1~2カ所を優先審査

2014/2/20付
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 原子力規制委員会は19日、原子力発電所の再稼働に向けた安全審査で、とくに先行している1~2原発程度を選んで優先的に審査の取りまとめに入る方針を決めた。当初は昨年末とみられた規制委の審査終了は大幅に遅れており、批判の声も上がっている。規制委は早ければ春ごろにも最初の審査合格を出し、夏の電力需要期には間に合わせる方向に動き出す。

 原発の審査が始まったのは昨年7月。規制委は当初、期間について「順調なら半年程度」との見通しを示し、早ければ昨年末にも合格の第1号が出るとみられていた。

 ただ実際は大幅に長引き、年度内の終了は難しい情勢だ。いつ終わるか分からない規制委の審査姿勢を不安視する声は政府内でも広がっている。

 原発には加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉(BWR)の2タイプがある。両者をあわせて8電力会社が10原発17基の審査を申請済み。

 このうち“優先枠”に選ばれる候補はPWRの6原発。関西電力の大飯・高浜(福井県)、九州電力の川内(鹿児島県)・玄海(佐賀県)、四国電力の伊方(愛媛県)、北海道電力の泊(北海道)だ。昨年7月に最も早く申請したため、審査が先行している。

 規制委はこのなかから2~3週間後に優先する原発を選定する。田中俊一委員長は19日、優先する原発の数について「1つとは申しあげていない」と発言した。ただ、数を増やしすぎれば意味が薄れるため、1~2原発程度で決着しそうだ。

 それでは、具体的にはどこの原発が選ばれそうなのか。6原発のうち、まず最初に候補から外れるのは泊原発。今月に入って規制委から数カ月以上かかる追加工事を要求されたため、当面は再稼働が不可能になった。

 残りの5原発からどこが選ばれるのか、現時点でははっきりしない。最大の焦点は地震想定だ。原発ごとに起こりうる最大の揺れの想定値を定め、耐震対策を施す必要がある。規制委は優先原発の条件として地震想定の確定を挙げる。これが決まった原発は一つもないが、今後2~3週間で想定が確定した原発はほぼ“当確”といえそうだ。

 優先する原発が固まれば「審査チームの総力を結集し」(規制委)、設計の基本方針を定めた最重要部分の審査書案の取りまとめに入る。人員を集中投入することで多くの職員を作業にかかわらせて審査書案をつくる経験を共有し、後に続くほかの原発の審査を効率的に進める狙いもある。この作業に少なくとも1カ月程度はかかりそうだ。

 規制委は評価書案をまとめた後、さらに1カ月かけて国民の意見募集や立地自治体での公聴会を実施する予定。並行して残りの審査作業を進め、今春にも最初の審査合格が出る見通し。

 ただ、これまでの審査会合では、電力会社の地震想定に対して規制委の厳しい注文が相次いでいる。仮に今後2~3週間の審査で地震想定が確定する原発が出なければ、審査書案の作成も先送りになる。田中委員長は「(審査書の)作業に入れるかは確約されていない」と話しており、審査が想定より後ずれする可能性もなお残されている。

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