原発重大事故の電力各社対応 5項目の緊急対策

2011/6/14付
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 原子力発電施設を持つ電力会社など11の事業者は14日、全電源が喪失するといった重大な事故が起きた場合に備え、5項目の緊急対策を盛り込んだ報告書をまとめた。同日、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。水素爆発を防ぐための排出装置の設置や、復旧作業を妨げるがれきの処理策などが柱となる。緊急対策を受けて、保安院は15~16日に原子力発電所などへの立ち入り調査を実施し、対策が十分かどうかを確認する。

 報告書をまとめたのは原発をもつ9電力と日本原子力発電、日本原子力研究開発機構の11事業者。報告書には(1)全電源喪失時に中央制御室の作業環境の確保(2)通信手段の確保(3)被曝(ひばく)を防ぐ資材の確保(4)水素爆発の防止策(5)がれき撤去用重機の配備――を盛り込んだ。保安院が7日に提出を指示していた。

 東京電力福島第1原子力発電所では炉心溶融が起きて水素が原子炉建屋にたまり水素爆発を引き起こした。各事業者は水素爆発の対策として、原子炉建屋に穴を開けて水素を逃がすドリルの配備、水素を除去する装置の設置などを報告した。

 全ての電源が使えなくなっても中央制御室の空調設備を動かせるよう、電源車の追加配備なども進めるとした。空調設備を動かせば緊急時の中央制御室内の放射線量を下げ、作業環境を改善できる。

 また福島第1原子力発電所の事故では、電源喪失で発電所構内の通信手段が使えなくなり、原子炉などの状況の把握に支障が出た。対策ではこれを受けて、電源が無くなった場合でも使えるトランシーバーや乾電池式の通話装置の設置を報告書に盛り込んだ。

 このほか各事業者は、放射線量が高い場所でも作業ができる防護服の配備、放射線管理要員の増員、発電所内のがれきを撤去するための重機の配備などを報告した。

 対策の多くは既に実施済みか、今年度中に実施する。福島第1原子力発電所ではこうした対策が不十分だったため、事態の悪化や作業の遅れを招いた。事故の教訓を他の原子力発電所の安全確保に生かす狙いがある。

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