「機構債」発行可能に 東電の賠償支援法案を閣議決定

2011/6/14付
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 政府は14日、東京電力福島第1原子力発電所事故の損害賠償を支援する原子力損害賠償支援機構法案を閣議決定した。同日に国会に提出する。保有原子炉の数などに応じて電力会社が負担金を積み、必要なら国も支援して被害者救済を確実にする。東電には徹底したリストラを重ねて求めた。政府・与党は法案の早期成立を目指すが、野党の協力が得られるかは不透明さを残す。

 法案では、原子力事故の損害賠償に備える「原子力損害賠償支援機構」を設立。事業者が積み立てる負担金や機構自身が調達した資金で、事故を起こした事業者に融資や資本注入して賠償責任を果たさせる。福島第1原発事故を受けた措置だが、今後の事故に備える役割も持つ。

 機構に参加するのは原発を持つ地域電力会社9社に、日本原子力発電と日本原燃を加えた11社。負担金の額は専門家で構成する運営委員会が決めるが、保有原子炉の数を基準に各社に割り当てる方向だ。

 機構は資金が足りない場合は国に国債交付を要請できる。その場合、事業者と機構はリストラ計画などをまとめた「特別事業計画」を担当大臣に出し、認定を受ける。

 同日の閣議では、5月10日に政府が東電に示した6項目の支援条件も決定した。迅速な賠償と電力の安定供給の両立、徹底したリストラなどを重ねて求めた。

 政府は賠償支援の枠組みを5月13日に決めたが、法案の閣議決定までに1カ月かかった。株式市場では支援の実現を危ぶむ見方が台頭し、6月9日には東電の株価が一時148円まで下落した。

 海江田万里経済産業相は14日の閣議後の記者会見で、「できるだけ早く、ご審議いただき成立させたい。この案がベストと思っている」と述べた。民主党は法案を赤字国債発行法案と並ぶ重要法案と位置付け、今国会を延長してでも成立を目指す構えだ。

 ただ、自民党の石原伸晃幹事長は14日午前の記者会見で「このスキームは問題が多い」と批判。公明党の山口那津男代表も「(国による被害者への)迅速な賠償仮払いがいま一番求められており、対応できないいまのスキームには賛同しかねる」と非難した。

 自民、公明両党は国が原発事故被害者に賠償金を仮払いする法案を議員立法で提出し、機構法案に優先して成立させることを目指す。

 東京電力は同日、閣議決定を受け「法案の枠組みのもとで、政府の支援もいただきながら被害者への公正かつ迅速な補償を実施できるよう準備を進めている。一日も早い法案の成立を期待している」とのコメントを発表した。

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