遠のく景気回復シナリオ 10~12月もマイナス成長か
弱まる内需に海外減速が追い打ち

2012/11/12付
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 日本経済が7~9月期にマイナス成長に沈んだのは、エコカー補助金などの政策効果がはがれて内需が弱まったことに加え、海外経済の減速で輸出が低迷したためだ。内需の落ち込みを外需の回復で補う政府の景気回復シナリオは狂い、民間エコノミストの多くは10~12月期もマイナス成長が続くとみている。

 7~9月期の国内総生産(GDP)を大きく下押ししたのは自動車の生産・販売の落ち込みだ。エコカー補助金が終了したことで国内販売が減り、耐久財の消費は前期比2.1%減と3四半期ぶりに減少に転じた。自動車関連産業の減産で鉱工業生産は4.2%の大幅減になり、9月の有効求人倍率が3年2カ月ぶりに悪化するなど雇用にも波及しつつある。

 残業の減少などは消費者心理の悪化を招き、大震災後の節約の反動で増えていた宿泊・レジャーや外食への支出も再び反転・縮小させた。

 政府は夏以降に海外経済が持ち直して輸出が回復し、景気のけん引役が内需から外需に移る「バトンタッチ型」の回復シナリオを描いていた。しかし中国を中心に海外経済は減速し、7~9月期の輸出数量指数はアジア向けが5.5%、米国向けも5.6%低下した。内外の需要減少で設備投資を先送りする動きも広がり、政府の思惑は崩れた格好だ。

 民間エコノミストは10~12月期もマイナス成長が続くとの見方が大勢だ。震災復興需要で公共投資は引き続き増えるものの、エコカー補助金で需要を先食いした反動で「自動車販売の減少幅はさらに拡大する」(第一生命経済研究所)。日中関係の悪化に伴う中国向け輸出への打撃も本格化する公算が大きい。

 来年1~3月期以降は海外経済が回復して持ち直すと予想する声が多いものの、日中の摩擦が長引けば中国向け輸出は一段と下振れしかねない。政府は11月末に経済対策をまとめる方針だが、与野党の衆参のねじれで補正予算を編成できる見通しはたっていない。政局の流動化で政治の停滞が続けば、けん引役が失われつつある日本経済も漂流しかねない。

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