「国の借金」最悪の883兆円 財政悪化止まらず

2010/5/10付
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 財務省は10日、2009年度末の国債や借入金などをあわせた「国の借金」総額が882兆9235億円に達したと発表した。08年度末に比べて36兆4265億円増え、過去最大を更新した。国債を長期保有する傾向が強い国内投資家の比率が高いことなどから、市場で国債が投げ売りされるような危機に陥る可能性は低いものの、財政再建を急ぐべきだとの指摘は年々高まっている。

 国の借金は国債、借入金、政府短期証券の合計で、財務省が四半期ごとに公表している。リーマン・ショックを受けた経済対策や税収減を補うために09年度に新規国債を53.5兆円発行したのが響いた。4月時点の人口推計(概算値)で計算すると、国の借金を1人あたりの借金は約693万円に達する。債務危機に陥ったギリシャは300万円程度(債務には地方分も含む)とみられる。

 10年度予算では新規政策の財源不足を補うため44.3兆円の新規国債発行を予定しており、財務省は10年度末に国の借金が973兆円に達するとみている。数年内に1000兆円の大台に乗せるのは確実な情勢だ。

 国際通貨基金(IMF)によると、国の借金に地方債などを加えた日本の公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は09年末で218.6%。米国(84.8%)や英国(68.7%)を大きく上回る。

 ただ、日本の場合、財政状況が悪化しているにもかかわらず、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは1.3%台と低位安定している。背景として指摘されるのが、国内投資家による保有比率が突出して高いこと。日銀によると日本国債の国内保有比率は09年末時点で94.8%で、国債を増発しても、カネ余りを背景に銀行や生保など機関投資家や公的機関が購入するため、金利が上がりにくい市場構造になっている。

 ただギリシャ問題を受けて、日本のソブリン・リスク(財政の信認問題)を警戒する声も出始めた。国債が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを売買するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、日本国債の保証料率が0.76%程度。2月下旬以来の高い水準だ。

 政府は6月に中長期の財政再建目標を含む財政運営戦略や、今後3年間の予算編成指針となる中期財政フレームを策定する予定。そこで財政再建に向けた道筋を描けなければ、国債の格付けなどに影響を及ぼす可能性も指摘される。

 財政構造の改革には消費税率引き上げを含む税制の抜本改革が避けられないとの見方が強い。財務省によると、欧州諸国で消費税に相当する付加価値税の税率は25%のスウェーデンを筆頭に英国が17.5%、ドイツが19%、フランスが19.6%。日本の税率5%はカナダと並び主要国で最低水準だ。

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