出生率が16年ぶり1.4超 12年、出生数は最少更新

2013/6/5付
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 厚生労働省は5日、2012年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が前年を0.02ポイント上回る1.41だったと発表した。上昇は2年ぶりで、1.4台の回復は1996年以来16年ぶり。30代以降の出生率が伸びたためで、底打ちが鮮明となっている。一方、出生数は過去最少となり人口減は続く。実効性のある子育て支援策が求められる。

 合計特殊出生率を押し上げたのは、第2次ベビーブーム期(71~74年生まれ)の世代である「団塊ジュニア」など30代以降の出産意欲の高さだ。出生率は昭和末期の85年には1.76だったが、バブル崩壊を経て低下傾向が加速。05年には過去最低の1.26となった。高学歴化に加え経済の低迷で、団塊ジュニアらが結婚・出産時期を遅らせたのが大きいとみられる。

 それが06年以降はプラス基調に転じた。団塊ジュニアらが30代半ばにさしかかり、結婚や出産ができる期限を意識。結果として30代以降の出生率は05年以降上がり続けている。12年も年齢別で29歳以下がいずれも落ち込んだのに対し、30歳以上が上昇しこれを補った。第1子を産んだ時の母親の平均年齢は30.3歳で過去最高となり、「晩産化」が進んでいる。

 都道府県別では、東京都、埼玉県、神奈川県など働きながら子育てする女性が多い都市部でも出生率が上昇。第2子や第3子以上の出生率も伸びた。第1子を産んだ時の母親の平均年齢は30.3歳で過去最高となり、「晩産化」が進んでいる。

 半面、国内で生まれた赤ちゃんの数を示す出生数は103万7101人と、前年より1万3705人減った。減少は2年連続。死亡数は戦後の47年以降で最多の125万6254人で、出生数と死亡数を差し引きすると6年連続の自然減だ。

 出生率が上昇したとはいえ、1.41は「人口を維持するためにはまったく高くない水準」(厚労省幹部)。人口減に歯止めをかけるには、低迷する20代の出生率を上向かせる取り組みが必要だ。

 安倍晋三首相は成長戦略で子育て世代に向け、17年度までに保育所や小規模保育などを整備し40万人分の保育の受け皿をつくる方針を打ち出した。さらに政府の少子化対策の有識者会議は、新婚世帯に割安に住宅を提供する自治体や企業への税制優遇を提言。若い世代が経済的理由で結婚を望まないのを克服する狙いだ。

 東京大学の白波瀬佐和子教授は「子供を産めるようにするには、正規雇用の女性の働き方を変えるだけではなく収入の少ない非正規雇用の層への目配りも必要だ」と指摘する。将来の経済の担い手を増やすために、政策の総動員が求められる。

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