NY金融・外為ハイライト 英中銀フォワードガイダンス修正 定量から定性へ

2014/2/13付
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【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク外国為替市場で、英ポンドがドルに対して大幅に上昇した。英中央銀行のイングランド銀行がインフレ報告書を公表し、経済成長率見通しを引き上げたことなどで利上げ観測が強まった。景気回復が進む英米の金融当局はともに、市場との対話手法の見直しを迫られている。

 英中銀は金融政策の先行き指針を示す「フォワードガイダンス」を修正した。低金利政策を長期にわたり継続する方針を示したものの、市場にその政策意図は浸透しなかったようだ。

 失業率が7%まで低下した時点で、政策方針を判断する要素を設定した――。英中銀のカーニー総裁は12日の記者会見でフォワードガイダンスの修正について説明した。これまでは「失業率が7%に下がるまで低金利政策を続ける」方針だった。その基準には「春までに届く」というのが英中銀の最新の見方。それでも金融緩和を当面続けるという意図を伝えるために、新たな枠組みを加える必要に迫られたようだ。

 BNPパリバのデービッド・ティンスレー氏は「(英中銀の)ガイダンスはより不透明になった」と指摘する。低金利政策を続ける基準値である失業率はそもそも金融政策の見通しをより明確に示す手段だった。しかし基準値を設けたことが逆に「政策見通しを複雑にして市場との対話が困難になっている」(フォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのデービッド・ギルモア氏)。

 米連邦準備理事会(FRB)も同様の問題に直面している。1月の米失業率は6.6%まで低下し、低金利政策の継続の目安となる6.5%の失業率が目前に迫る。FRBは英中銀に先立ち、昨年12月に「失業率が6.5%を下回っても相当の期間が経過するまで低金利政策を維持する」とガイダンスを修正した。

 英米中銀のフォワードガイダンスの修正は「失業率という定量的なガイダンスから、景気回復のペースなど定性的なガイダンスへの移行」(バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのマイケル・ウールフォーク氏)と読める。読み解きはますます難しくなっていく。米当局の市場との対話のハードルも高くなったといえそうだ。

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