どうみるGPIF改革の行方、専門家に聞く

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2014/6/13付
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「危機的な年金財政の直視を」

経済ジャーナリストの町田徹氏

 ――年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革をどうみますか。

 「経済のデフレ状況が長く続いてきたなか、過去の実績をみると平均2%程度の実質運用利回りを上げている。安定運用という意味で問題になる水準ではない。GPIFそのものに課題があるというより、GPIFを使って運用配分に問題があるかのようにみせかけ、相場を盛り上げるといった政治的な演出を狙っている側面が強いという印象を持つ」

経済ジャーナリストの町田徹氏
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経済ジャーナリストの町田徹氏

 ――GPIFには何が必要でしょうか。

 「国民の将来の年金給付に備えて、安定的な運用であることを最大かつ唯一の目的とすべきだ。時の政府や与党の思惑で政治的に運用方針が左右されるとすれば心配だ。かけがえのない年金積立金を運用する機関として人事を含めて独立性を担保する方策が必要だ。運用委員長を務める米沢康博氏は日本株の比率について『20%というのも高すぎるハードルではない』などと発言したが、政権のいうことを聞くような人を委員長に据えて運用方針を変えてしまおうということであるなら、年金運用を委託している国民の利益を守れないかもしれない。首相の人事権を使って反対意見を抑え込むのは、安倍政権の常とう手段になっているように見える」

 ――市場では日本株の買い増しに関心が集まっています。

 「特定の数字を示すのではなく幅を持たせるほうがいい。例えば日本株を10~20%程度といったように状況に合わせて柔軟に運用できることが望ましい。GPIFが運用を委託するにあたっては裁量が必要だし、運用を委託される信託銀行などにも裁量があることが望ましい」

 「日本株の持ち高を高めたいと思うのであれば、10年くらいの長期間に20%程度まで高めることがあってもいいかもしれない。一方で10%程度まで比率を下げることもあり得るというように幅を持たせるべきだ。そうでなければ市場に先読みされてしまう。先回りして株式を買い、年金が高値で買ったところで売り抜けられてしまう事態が起きかねない。巨額の運用資産を持つだけに比率を1%変えただけでも市場への影響は大きい。できるだけ影響を与えないようにするためにも弾力的な目標設定にすることが大事だ」

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