みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は3日午後、「ニッポン金融力会議」のプロジェクト、第1回トップ・シンポジウム「次を創る金融へ」(主催・日本経済新聞社)で講演した。投資銀行の自己勘定取引が最盛期を迎えた2000年代の金融事業モデルがリーマン・ショックを契機に崩壊し、「現在、ビジネスモデルの見直しを強く迫られている」と指摘。「顧客の実需重視と高度なリスク管理能力への回帰」をキーワードに、新たな金融モデルを構築するとの考えを述べた。
「金融のプロフェッショナルとして、顧客のニーズに全方位的に対応する主治医のような役割を果たすことが求められる」。佐藤社長はこう語り、自らの収益・株主価値の極大化を最優先してきた「金融資本至上主義」の終焉(しゅうえん)を強調した。自己勘定取引をてこに20%近い自己資本利益率(ROE)を稼ぎ出した過去のモデルは限界とし、適切な資本水準をベースとした収益源の多様化を訴えた。
また日本国内およびアジア地域で新産業を育成し、社会インフラを構築するために、リスクマネーを積極的に供給する必要性も示した。その際に基盤となるのが「日本の金融界の持つ産業知見」だとも述べた。
新たな金融ビジネスモデルの具現化に向けたみずほフィナンシャルグループの取り組みとして、13年7月に計画しているみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の統合に伴う「ワンバンク化」を挙げた。また東南アジアの現地企業を投資対象とするファンドの組成を例に、アジアでの邦銀のプレゼンス向上を目指すとした。「グローバルな産業コーディネーターへと進化したい」と語った。
講演後の質疑応答で、グローバル展開について邦銀は過去に進出と撤退を繰り返してきたと問われたのに対し、「(今後は)現地企業のトップを含め、中長期的な関係を確立し、持続的な国際業務を展開したい」と説明。「同じてつを踏まない環境づくりを目指す」と締めくくった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
佐藤康博、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行
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