史上最高効率と最安が目前に 照明の頂点を極める白色LED(1)

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2011/7/6付
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 白色LED(発光ダイオード)が、間もなく栄誉ある2つの称号を得る可能性が高まってきた。投入電力1W(ワット)当たり200lm(ルーメン)の光束を発する、史上最も高効率な光源という称号と、蛍光灯より安くて白熱電球に迫る安価な光源という称号である。これが実現すれば、どんな機器にも、どこにでもLED照明が使える時代が到来する。本連載では、白色LEDの最新技術について解説していく。

 2011年3月11日に東日本を襲った地震と津波の影響により、関東地方や東北地方は深刻な電力不足に陥った。停止した原子力発電所を補うべく新たな発電設備の必要性が高まるとともに、電力消費の抑制が喫緊の課題になっている。

 中でも、即効性があるとして関心が高まっているのが、照明の“LED化”だ。照明は、日本全体の電力使用量の約2割を占める。これを、エネルギー効率が高いLED照明によって下げようというのである。

 LED化の活発な動きは、数字にも表れている。ジーエフケーマーケティングサービス ジャパンの発表によると、2011年3月中旬以降にLED電球の国内販売は急速に伸びている。同年4月第2週には、すべての電球に占めるLED電球の割合が数量ベースで27.1%、金額ベースで67.0%と、いずれも過去最高を記録した。特に、電力不足に見舞われている関東甲信越地方では同週の販売数量が前年比182.1%増であり、全国平均の同120.4%増を大きく引き離す。

 企業におけるLED照明導入の動きも活発だ。例えば、セブン-イレブン・ジャパンは、東京電力管内を中心とする約5000店舗に対し、店内照明と店頭誘導看板のLED化を2011年5月から順次進める予定である。

■「販売数量は前年比3~4倍」

 照明のLED化は今に始まったことではない。導入は日本のみならず、世界的に進んでいる。LED照明器具に搭載される白色LEDの寿命は4万時間以上と蛍光灯の約4倍もあるので交換頻度が少なくて済み、かつ消費電力が蛍光灯に比べて10~40%少ないといった利点があるからだ。

 特に日本では、2010年4月に施行された改正省エネ法への対応策として、LED照明を導入する企業が増えていた。LEDメーカーの照明用白色LEDの出荷は大きく伸び、「2010年の出荷数量は、前年に比べて3~4倍に増えた」(シチズン電子)という。

 こうしたLED化の動きを後押しするのが、白色LEDの低価格化である。

 これまで白色LEDは、白熱電球や蛍光灯といった既存光源に比べて高価とされてきた。光束1lm当たりの単価(明るさ単価)は、街路灯など一部の照明で白色LEDが使われていた2005年時点では10円/lm程度だった。白熱電球が0.1~0.2円/lm、蛍光灯が0.3~0.6円/lmであることに比べると、桁違いに高かった。だが、白色LEDは年率30%以上のペースで明るさ単価が下がっている。2011年に入ってからは業界平均で約0.7円/lmにまで下がった。大口顧客に対しては0.4~0.5円/lmと、既に蛍光灯に迫る(図1)。

図1 史上最安値の光源が目前に  白色LEDの2011年5月時点での明るさ単価の平均はおおよそ0.7円/lm(発光効率を優先した品種)である。明るさ単価は年率30%前後で低下しており、このままのペースが続けば2015年に0.2円/lmを切る。(図:日経エレクトロニクス誌が取材を基に作成)
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図1 史上最安値の光源が目前に  白色LEDの2011年5月時点での明るさ単価の平均はおおよそ0.7円/lm(発光効率を優先した品種)である。明るさ単価は年率30%前後で低下しており、このままのペースが続けば2015年に0.2円/lmを切る。(図:日経エレクトロニクス誌が取材を基に作成)

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