Eフォーカス

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

除熱機能を喪失、ギリギリの復旧作業 福島第2原発で何が起きたか(上)
編集委員 滝 順一

(1/4ページ)
2013/5/3 7:00
共有
保存
印刷
その他

 東京電力・福島第2原子力発電所(福島県楢葉町、富岡町)は2年前の東日本大震災で激しい揺れと大津波に見舞われた。福島第1原発との最大の違いは発電所の外から受電する外部電源が1系統だけ残ったことにある。全電源喪失に至らず、中央制御室でプラントの状況がほぼ把握できた。それでも原子炉の熱を逃がす場所がなくなり、「原子炉内のガスを放出するベント(排気)まであと2時間」に追い詰められた。増田尚宏所長らに「あのとき」の状況を聞いた。

■熱交換器建屋の扉破りなだれこむ海水

東日本大震災で発生した津波の第2波が襲う前(上)と、約1分半後に津波にのみ込まれた後の東電福島第2原発敷地内。15メートル津波でほぼ全域浸水(2011年3月11日午後3時半ごろ、東京電力提供)=共同
画像の拡大

東日本大震災で発生した津波の第2波が襲う前(上)と、約1分半後に津波にのみ込まれた後の東電福島第2原発敷地内。15メートル津波でほぼ全域浸水(2011年3月11日午後3時半ごろ、東京電力提供)=共同

 福島第2には出力110万キロワットの沸騰水型軽水炉(BWR)が4基ある。2011年3月11日は4基とも定格運転中だった。午後2時46分の地震発生直後、大きな揺れを検知し全号機で原子炉は自動停止(スクラム)した。増田所長は津波が来ることを予想し所員を見張りに出した。その1人が撮った写真がある。

 福島第2は南から北へ向けて1~4号機が並ぶ。最も南にある1号機の南側の道路を海水が駆け上がってきた。海水は1号機の裏手(内陸側)にある廃棄物処理建屋や免震重要棟を襲い、裏手から回り込んで2~4号機にも到達した。

 想定していた津波の高さ5.2メートル(建設時は3.7メートル)に対し、襲来した津波の高さ(浸水高)は7メートルとされている。1号機南側道路など一部では海抜15.9メートルまで津波が遡上した。

 1号機原子炉建屋は、地下に置いた非常用ディーゼル発電機の給気口が地上階の壁面に開いていたため、ここから浸水し、起動したばかりのディーゼル発電機が3台とも水をかぶり止まった。非常用の電源盤も被水した。「今から考えれば、給気口をなぜ地上階につくったのか。もっと上階にあってもよかった」と増田所長は話す。

 また岸壁沿いには各号機に2つずつ海水熱交換器建屋(全8棟)という設備があったが、3号機の南側建屋を除き、扉を破って海水がなだれ込んだ。

 海水熱交換器建屋は、原子炉が緊急停止した際に熱を海に逃がす働きを担う。福島第1にはない設備だ。第1はポンプでくみ上げた海水をそのまま原子炉建屋に送り、炉心から戻った冷却水(淡水)を熱交換器を介して海水で冷やす。熱を受け取って温まった海水は海に流す。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 4ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

関連キーワードで検索

東京電力

【PR】

Eフォーカス 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

高濃度汚染水が漏れた福島第1原発。茂木経産相は地上タンク周辺を視察した

共同

原発汚染水、3つの対策急げ 東電再建スキーム見直し

 この夏、日本のエネルギー環境において残念で深刻な事態が2つ判明した。一つは東京電力・福島第1原子力発電所の汚染水問題であり、もう一つは再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が思うように進んでいない…続き (2013/9/5)

コニカミノルタは中国の現地法人に「環境推進部」を設置した

化学物質規制、アジアに拡大 見えにくい運用実態

 中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドなどアジアを成長基盤に位置づける企業にとって、新たな課題が浮上している。化学物質規制への対応だ。
 7年前、欧州連合(EU)はRoHS(有害物質使用制限)…続き (2013/9/1)

地球温暖化で氷床の融解が懸念されているグリーンランド=7月15日(ゲッティ=共同)

共同

避けられない「気温2度上昇」の巨大リスク 洪水や台風など

 「ティッピング・ポイント」という言葉がある。「(重大な変化が起きる)転換点」を意味する。人類の経済活動から排出される温室効果ガスによって引き起こされる地球全体の平均気温の上昇を、産業革命前(人為的な…続き (2013/8/30)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年5月30日付

2017年5月30日付

・システムの変更、簡単に履歴追跡 SCSKがツール、不具合原因、早期に発見
・脂肪肝、新標的で治療 独ベーリンガーが神戸大と、原因たんぱく質を特定
・ムーンスター、靴の廃材、9割を再生 福岡・久留米工場、地元企業と連携
・IHI、ターボ生産に60億円投資 燃費規制で需要増
・アイル、SEの負担軽減、残業ゼロ目指す…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト