スタンフォード大の講演 ジョブズが遺した「言葉」(3)

(1/2ページ)
2011/12/4 7:01
共有
保存
印刷
その他

 2005年、すい臓がん克服後のスティーブ・ジョブズは米スタンフォード大学の卒業生を送るスピーチを行う。自らの半生から人生訓を述べたこのスピーチは世界に大きな感動を与え、日本の高校の教科書にも採用された。

大学中退のジョブズは「大学卒業にここまで近づいたことはこれまでなかった」と切り出し、スタンフォード大学の卒業生に向け自身の半生を振り返る3つのストーリーを語った。写真は、アップル本社で開催されたジョブズの追悼式(2011年10月19日、米クパチーノ)=ロイター
画像の拡大

大学中退のジョブズは「大学卒業にここまで近づいたことはこれまでなかった」と切り出し、スタンフォード大学の卒業生に向け自身の半生を振り返る3つのストーリーを語った。写真は、アップル本社で開催されたジョブズの追悼式(2011年10月19日、米クパチーノ)=ロイター

 2010年、このスピーチでやり直したいことを聞かれたジョブズは「声高にもう一度繰り返したい。この数年で命はもろいと改めて知ったから」と語った。

 ジョブズが遺した「言葉」とその真意を解説する本連載の最終回は、3つのストーリーからなるスピーチから4つの言葉を選んだ。

『ハングリーであれ、バカであれ。』
 Stay Hungry. Stay Foolish.

 この講演で最も有名なこのセリフは、ジョブズ自身が考えた言葉ではなく、彼が青春時代のバイブルとしていた「ホールアースカタログ(Whole Earth Catalog)」(1968年にスチュワート・ブランドが創刊したテクノロジー文化誌)の最終号の表紙に書かれていた言葉だ。ジョブズが、ちょうど卒業生たちと同い年くらいの頃に目にした言葉だと言う。クレイジーに、とてつもなくすごい作品を作り続けてきたジョブズだが、その驚異の実現力を支えたのは、彼のハングリーさから来る熱意と「仕事バカ」と言えそうな執着心の賜物だろう。ジョブズは講演の最後、「自分自身、この言葉の通りでいたいと思った。そして今、卒業し新たなスタートを切る皆さんにも、そうあってほしいと望む」と言って締めくくった。

『だから、点がいずれどうにかしてつながると信じなければならない。』
 So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

 講演は「点と点をつなぐ」「愛と喪失」「死」の3パートからなっていた。最初のパートは、物事を信じて行動するのが重要という話だ。ジョブズは大学中退後、それが何の役に立つとも考えず、大事だと思ったから英習字の勉強をした。その経験がやがてMacを作る時に大いに役立った。こうした点と点の結びつきは、計画して起こせるものではなく、振り返ってみて初めて分かるもの。だから、いずれつながるはずだと、何かを信じてとにかく行動してみる必要がある。「このやり方をしてガッカリしたことはなかった。それどころか私の人生をまったく別物にしてくれたと思う」とジョブズは言う。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

日経BPの関連記事

【PR】

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年6月28日付

2017年6月28日付

・ドローンとAIで獣害優しく防ぐ スカイロボット、動物の行動予測、超音波で退ける
・網膜の炎症に飲み薬 窪田製薬が再挑戦
・太陽光パネルのアンフィニ、福島に新工場 国産で住宅市場に照準
・日本信号、屋外でも高精度に障害物検知 小型3Dセンサー
・東大発VBのエルピクセル、基礎研究をAIで効率化 細胞画像を自動判定…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト