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三流歌人なぜ選ばれた 百人一首めぐる5つのナゾ

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2013/1/2 6:30
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一流歌人ぞろいと思われる中には意外な人物も(記事中のかるた写真は小倉百人一首ミュージアム『時雨殿』所蔵)
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一流歌人ぞろいと思われる中には意外な人物も(記事中のかるた写真は小倉百人一首ミュージアム『時雨殿』所蔵)

 誰もが一度は遊んでいるであろう正月の定番「百人一首」。飛鳥時代末から鎌倉初期までの約600年間のうち、小野小町ら和歌の達人100人の歌を選んだベスト版だ。恋の歌が多いことでも有名で少女マンガのテーマにもなり、最近は若い世代のファンも増えてきた。第1首の天智天皇から始まり第100首の順徳院で終わるこのアンソロジーは鎌倉初期の大歌人・藤原定家(1162~1241)が優れた歌を選(よ)りすぐって作ったとされているが本当にそうなのか? 日本文学史の研究者らが指摘する5つのミステリーを追ってみた。

なぜこの人が入選?

 第1首「秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」(天智天皇、秋の田に間に合わせた作った小屋は苫『とま』が荒いので私の袖は露に濡れ続けている)

第1首の作者は天智天皇。日本史上の偉大な天皇だが和歌の腕前は……
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第1首の作者は天智天皇。日本史上の偉大な天皇だが和歌の腕前は……

 「百人一首は決して誰もが納得する秀歌選ではない。一流歌人としては首を傾げる人たちの作品も少なくない」と言い切るのは吉海直人・同志社女子大教授。例えばトップに登場する天智天皇だ。「大化の改新」を断行し、その系統が平安朝につながっていく。吉海教授は小倉百人一首ミュージアム「時雨殿」(京都市)の館長も兼ねる。「天智天皇はそれ以前の勅撰集(ちょくせんしゅう、天皇や上皇の命で編集した歌集)には全部あわせても10首も入っていない」という。一方、一流の藤原定家や父の俊成、紀貫之らは数多く入集している。

奈良時代以前の人物なのに、かるたの中の持統天皇はなぜか平安時代の十二ひとえをまとっている
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奈良時代以前の人物なのに、かるたの中の持統天皇はなぜか平安時代の十二ひとえをまとっている

 もともと第1首は農民が稲刈り時期の労働のつらさを詠んだもののようだ。それを作者が天智天皇ということにしてしまうと、大衆の生活の苦しみを思いやる帝(みかど)の慈悲深い歌に一変する。「第2首の作者である持統天皇の和歌は少なく、歌人とさえ呼べるのかどうか」(吉海教授)

 百人一首には8人の歴代天皇が入り入選率はほかの歌集に比べ高い。藤原道長と確執があった三条天皇、保元の乱の敗者の崇徳院らも当選組だ。

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