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欧州で成長する「仮想発電所」 電力自由化時代の調整役

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2014/2/5 7:00
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 電力市場の自由化が進む欧州で、「バーチャルパワープラント」(VPP:Virtual Power Plant)」と呼ばれるビジネスモデルが成長している。

 複数の小規模な自家発電設備や電力の需要抑制を統合することによって、あたかも1つの発電所のように制御することから「仮想発電所」とも呼ばれる。電力市場の自由化に向けて取り組みを進めている国内の電力ビジネスにとって、今後を考える上で参考になりそうだ。

 バーチャルパワープラントビジネスを手掛けるベンチャー企業の一つが、ドイツ・ケルンに本社を置くNEXT KRAFTWERKEである。欧州最大の研究機関であるフラウンホーファー研究所に所属する研究者がスピンアウトして、2009年に設立された企業だ。同社CEOのJochen Schwill氏によると、売り上げは2013年に1億ユーロ(1ユーロは約140円)に達し、収益も黒字化する見通しという。2014年には売り上げは倍増し、ベンチャーキャピタルから5億ユーロの資金を調達できるとしている。

■再生エネ率向上へあの手この手

 同氏によると、ドイツでバーチャルパワープラントビジネスが成長してきた背景には、欧州の電力市場が「垂直統合型」から「構造分離型(発電、送電、配電、小売りを分担する形態)」に転換され、誰でも発電事業に参入できるようになったこと、さらに再生可能エネルギーが総発電量に占める割合が上がってきたことがある。ドイツでは2012年に総発電量のうち再生可能エネルギーの比率が22%に達し、これを2020 年に35%、2030年に50%にまで上げる考えだ。

 ドイツ政府が再生可能エネルギーの「マーケット・モデル」を導入したことも同ビジネスの成長に弾みをつけた。ドイツ政府は2009年1月より、固定価格買い取り制度(FIT:Feed in Tariff)に加えて、再エネで発電した電力を電力取引市場で販売できる選択肢を増やした。しかし、通常はFITよりも市場価格の方が低いので、市場での販売はあまり選択されなかった。

 そこで、2012年1月に改正された「RES(Renewable Energy Sources)法」では、市場価格がFITを下回ればその差額が補てんされる「マーケット・プレミアム」が導入された。この契約は月単位で行われ、月平均の市場価格から固定価格を差し引いた差額が支給されることになった。高価格時間帯での販売が多いとその分利益が増えることになる。

 市場取引では、販売量と販売時間の予想を提出し、予想が外れると反則金が課される。このリスクを補てんするために「マネジメント・プレミアム」も支給され、事業者にとってはFITよりも多くの利益を得られる可能性が出てきた。これにより、市場取引が活発化してきたのである。

 このマーケット・モデルへの移行によって、再生可能エネルギーの事業者に、電力を市場に売るインセンティブが働くようになった。その際、市場に直接売ることもできるが、NEXT KRAFTWERKEなどが構築するバーチャルパワープラントのスキームに参加することにより、市場参加のための手続きやシステム構築の手間を省くことができる。

 現在、NEXT KRAFTWERKEのスキームに参加している発電設備は1000カ所を超えるという。発電設備のオーナーは、所有権はそのままに2種類のサービス契約をNEXT KRAFTWERKEと結ぶ。

 第1は、NEXT KRAFTWERKEが代行してスポット市場に電力を売ることである。第2は、構造分離された結果生まれた送電系統運用会社(TSO:Transmission System Operator、ドイツの場合は50HerzとTranspower)が運用するバランシング市場(リアルタイム市場)に参加することである。NEXT KRAFTWERKEは、契約した発電設備のオーナーとこうした市場取引の結果得られた利益をシェアしている。

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