気筒を減らすほど効率で有利、振動に不利 もう4気筒なんていらない(1)

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2011/6/1付
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 4気筒から3気筒、3気筒から2気筒――。燃費の良さを売り物にする小型車が、このところ気筒数の少ないエンジンを積むことが増えている。気筒数が少ないと、エンジンの燃費は良くなり、小型にもできる。それと引き換えに、間違いなく振動・騒音は大きくなってしまう。それを克服し、燃費の良さと低振動・低騒音を両立する技術が登場し始めた。4気筒エンジンの出番がなくなる時代が来るかもしれない。本連載では「少気筒エンジン」の最前線を追う。

 2011年11月、トヨタ自動車がダイハツ工業から3車種のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けて軽自動車に参入する(図1)。これで日本の乗用車メーカー8社がすべて軽自動車を手がけることになる。「小さなクルマがおいしい」と考えられている証拠である。現実に、軽自動車の保有台数に占める構成比は増え続け、現在では35%を超えている(図2)。

 さらに先がある。軽より小さなクルマの市場ができる可能性が出てきた。2011年2月、国土交通省は軽自動車より小さな自動車の規格を設ける方針を決めた。2人乗りに限定し、高速道路を走らないという前提で最高速度を80km/hに抑える。衝突試験などの条件もそれを前提にするから、現在の軽自動車よりかなり軽く、安くできる。

 具体的な規格は決まっていないが、エンジンは現在の軽よりも小さくなる可能性が高い。電気自動車(EV)やハイブリッド車も視野にあるから、単純にエンジン排気量ではクラスを分けない可能性もある。いずれにしても、現在の軽自動車の下に、新たなクラスができそうだ。

 世界ではどうか。自動車の需要の中心は既に新興国が占めている。新興国で高収入層を相手に商売をしている自動車メーカーも、民主化が進めば庶民の生活水準に見合った車種に力を入れるしかない。世界の自動車の需要構造は、小型車に向かっているのである。

■1気筒あたりの排気量に最適値あり

 クルマが小さくなれば、エンジンの排気量も小さくて済む。それでは気筒数はどうか。これを考えるには熱効率、寸法、振動など考えるべき要素が多い。

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