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フェイスブックに2兆円で買われた男 波乱の半生

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2014/2/27 7:00
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 2月19日、米ワッツアップ創業者のヤン・クーム(37歳)は、同社を米フェイスブックに190億ドル(約1兆9400億円)で売却する契約に署名するのに、思い入れのある場所を選んだ。

 共同創業者のブライアン・アクトン、ベンチャー・キャピタリストのジム・ゲッツとともに赴いたのは、マウンテンビュー市にあるワッツアップの質素な本社から数ブロック先の、線路を超えたところにあるひとけのない白い建物だ。かつてノースカウンティ社会福祉事務所が入居し、生活保護受給者向けの食料配給券を受け取るためにクームが並んだ場所である。3人はここでスマートフォン向け人気メッセージアプリを運用する同社(とはいえ昨年の売上高はわずか2000万ドル)を、世界最大の交流サイト(SNS)に売却する合意書に署名した。

フェイスブックとの契約を署名した直後に。左から共同創業者のアクトン氏、クーム氏、セコイア・キャピタルのゲッツ氏(写真提供=クーム氏)
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フェイスブックとの契約を署名した直後に。左から共同創業者のアクトン氏、クーム氏、セコイア・キャピタルのゲッツ氏(写真提供=クーム氏)

 本誌(フォーブス)によると、クームはワッツアップ株の45%を保有しているとされ、今回の売却で突如として68億ドル(約6800億円、税引き後)を手に入れたことになる。

 クームはウクライナの首都キエフ郊外の小さな村で、専業主婦の母親と病院や学校の建設管理者をしていた父親の一人息子として生まれ育った。家ではお湯が使えず、両親は国による盗聴を恐れてめったに電話を使わなかった。ひどい環境のようだが、クームは今でも当時の田舎暮らしを懐かしみ、それは騒々しい広告をかたくなに拒否する大きな理由の一つとなっている。

■必死で生活費を稼いだ母と子

 16歳のとき、ウクライナでの政治的混乱と反ユダヤ主義の高まりを受けて、クームは母親とともにマウンテンビューに移住してきた。そして政府の支援を受け、寝室2間の小さなアパートに落ち着いた。父親とはとうとう合流できなかった。母親は米国で学用品を買わずに済むように、スーツケースにペンと旧ソ連製のノート20冊を詰め込んできていた。

 母親は子守、クームは食料品店の床掃除の仕事に就き、生活費を稼いだ。母親ががんと診断されると、障害者手当で生活した。クームは英語力には問題はなかったものの、米国の高校の軽薄な人間関係が嫌だった。ウクライナでは10年間、少人数の同じ顔ぶれで学校に通った。「ロシアではお互いのことを本当に深く知るんだ」

 学校では問題児だったが、18歳になるころには古書店で参考書を買い、コンピューター・ネットワーキングを独学で学んだ(使い終わった参考書はまた古書店で売った)。インターネット・リレーチャットEfnetで「w00w00」というハッカーグループに参加したり、シリコン・グラフィクスのサーバーに忍び込んだり、ナップスター共同創業者のショーン・ファニングとチャットをしたりしていた。

 サンノゼ州立大学に入学し、夜はアーンスト・アンド・ヤングでセキュリティー検査のアルバイトをした。1997年、広告システムの検査のためにヤフーを訪れたとき、向かい側に座っていたのがヤフー社員番号44番のアクトンだった。

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〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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