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震災の教訓生かす、食品加工団地の電力を統合制御 気仙沼プロジェクト

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2013/10/1 7:00
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 東北を代表する食品加工メーカーが集積する宮城県気仙沼市の赤岩港では、電力システム改革を先取りするプロジェクトが進んでいる。新電力(PPS)が、地域のメガソーラーから工業団地向けに低コストで電力を調達し、地域エネルギー管理システム(CEMS)を活用して需給バランスを保つ構想だ。再生可能エネルギーの出力変動を電力卸市場とデマンドレスポンス(需要応答:DR)を使って使いこなす試みだ。

写真1 復興が進む気仙沼の赤岩港水産加工団地
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写真1 復興が進む気仙沼の赤岩港水産加工団地

 宮城県気仙沼市の沿岸は、東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた。赤岩港では漁港施設の他、水産加工関連の工場が集まる工業団地も津波をかぶり、建物が破壊された。東北復興では、「単に元に戻す復興ではなく、地域を活性化させる新たな価値を生み出す」ことが、政府や自治体の共通認識になっている(写真1)。

 気仙沼市は赤岩港の復興を機に、経済産業省の支援を得て、水産加工団地をスマート化する「赤岩港・エコ水産加工団地プロジェクト」を策定した。具体的には、生産設備などを監視・制御する工場エネルギー管理システム(FEMS)を各工場に導入し、それら複数のFEMSを統合制御する地域エネルギー管理システム(CEMS)を構築。工業団地全体のエネルギーの需給を最適に管理する計画だ。これまでの事業性調査の結果をもとに、今夏までに最終的なプランが固まってきた。

■東北電力より低コストで電力を調達

 同計画のマスタープランは、千葉県柏の葉のプロジェクトにも参画するスマートシティ企画(中央区)が担っている。同社を中心に赤岩港工業団地に生産拠点を持つ食品加工関連9社が何度も集まって議論を重ね、費用対効果の高いプロジェクトを練ってきた。

 新電力は、発電電力を顧客に託送する際、送電線を持つ東北電力から30分間に電力の供給と需要を一致させる「30分同時同量ルール」が課せられており、違反するとペナルティを支払わねばならない。エナリスはCEMSを活用して、荏原環境プラントに課せられる30分同時同量ルールの達成をサポートする。

 エナリスの池田元英社長は、「天気予報の情報を元に太陽光発電の発電量を予測するノウハウが蓄積されてきた。事前にメガソーラーの発電力を予測しつつ、需要とのギャップ分の電力を電力卸市場などから機敏に調達することで、30分同時同量を達成することは、それほど難しいものではない」と自信を見せる。

 加えてエコ水産加工団地プロジェクトでは、CEMSを活用して、水産加工工場に対してデマンドレスポンスを要請して需要ピークを削減することも計画しており、最も低コストで需給をバランスさせる手法を探る計画だ。

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