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触らない計測やクラウド健康管理、「医療費膨張」ITで抑止
医療IT

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2014/3/5 7:00
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 「高品質」「多機能」だけでは、ヒット商品を生み出せない時代になった今、的確に市場のニーズや将来像を予測した上で、商品開発に取り組む必要性が高まっている。連載特集「未来を読む」では、新市場創出の期待が高い注目分野の動向を取り上げるとともに、高齢化や都市化などによって変わる消費トレンドなどを解説する。今回は、市場を起点にした技術ロードマップを体系的にまとめた技術予測レポート『テクノロジー・ロードマップ 2014-2023』(日経BP社、2013年11月)の著者の一人で、予防医療のトレンドに詳しい奈良女子大学 社会連携センター 特任准教授の梅田智広氏に、IT(情報技術)を用いた健康管理サービスや高齢者の在宅見守りサービスの将来展望などを解説してもらう。

 医療費の増大は、日本をはじめ、少子高齢化が進む先進国に共通の社会的課題となっている。日本では、都市部を中心に一人暮らしの高齢者が孤立死する問題も深刻化している。

米Nikeのリストバンド型活動量計「Nike+ FuelBand SE」。加速度センサーを内蔵しており、スマホなどのアプリと連動して歩数やカロリーなど毎日の活動を記録・管理できる。スマホとセンサーの連携によるリアルタイム計測の例である
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米Nikeのリストバンド型活動量計「Nike+ FuelBand SE」。加速度センサーを内蔵しており、スマホなどのアプリと連動して歩数やカロリーなど毎日の活動を記録・管理できる。スマホとセンサーの連携によるリアルタイム計測の例である

 こうした課題を解決する手段として大きな関心を集める技術分野が、ITを用いた健康管理サービスや高齢者の在宅見守りサービスである。ITと医療を融合して病気になる前の段階で未然に防ぐ予防医療や、高齢者にほとんど意識させることなく遠隔地から様子を把握する環境を実現する。いずれも自立して生活できる健康年齢を向上させる上で大きな役割を果たす。

 これらのサービスは、センサー技術や生活支援基盤システムなどを軸に今後、次第に融合していく。この数年で利用者を増やしているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などと連携しながら、数年で社会に定着していくだろう。

 健康管理向けのソフトウエアやインターネット関連サービスなどの市場規模は、2015年に日本国内で約900億円と見込まれている。高齢者向けの緊急通報や見守り・安否確認サービスの市場規模は、独居高齢世帯の増加と高齢者住宅の戸数増が市場成長をけん引し、2020年に約130億円に成長する見通しだ。

■医療費は60年間で110倍に膨張

 こうした期待が高まる背景には、増え続ける医療費の問題がある。平均寿命の伸長と高齢化に伴い日本の医療費は年々増加し、2012年度には38兆円に達した。その38%は国や地方自治体が負担しており、財政を圧迫している。国民一人当たりの医療費は、この約60年間で実に110倍となった。

 病院での長期入院患者は増加しており、その費用は医療費の40%を占めている。臨床ベッド数は都市部を中心に足りない状況にある。厚生労働省は入院期間の短縮と在宅医療の促進に向けて取り組んでいるものの、今のところ十分な対応・対策は実行できていないのが現実だ。

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