人間の「限界」をデジタル技術で拡張 モバイルAR(1)

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2010/6/28 7:00
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 AR(Augmented Reality、拡張現実)と呼ぶ技術を応用した新しいサービスが、世の中をにぎわしている。ARとはネットワーク上にある多様なデジタル情報を現実世界と融合させ、人間の知識や感覚、行動に働きかける技術。スマートフォンの高性能化とともに、昨年秋ごろからARを実現する「モバイルAR」アプリケーションが相次いで登場しはじめた。ARは我々にどんな体験をもたらすのか。カギとなる技術と進化の方向を探った。

実画像に重ねて目的地のアイコンを表示

「『今から』停められる駐車場検索サービス」の画面。自分の向いた方向にある駐車場までの距離と混雑状況が、実風景に重ね合わせて表示される
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「『今から』停められる駐車場検索サービス」の画面。自分の向いた方向にある駐車場までの距離と混雑状況が、実風景に重ね合わせて表示される

 南軽井沢の路上。スマートフォンを取り出してアプリを起動後、カメラをかざしてぐるりと360度見回すと、ディスプレーの風景に重なって駐車場を示すアイコンが表示された。カメラを向けた500メートル先にある駐車場は混雑しているが、その近くに空きのある駐車場があるようだ。念のために、ディスプレー上のアイコンをクリックするとスマートフォンの画面は地図に切り替わり、現在地から駐車場までの道のりを表示する。駐車場の方向をもう一度確認したあと、車を発進させた――。

「『今から』停められる駐車場検索サービス」から現在地と目的地の情報を受け取り、「GoogleMaps」で表示する
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「『今から』停められる駐車場検索サービス」から現在地と目的地の情報を受け取り、「GoogleMaps」で表示する

 三井不動産販売は5月24日、ARを使った駐車場の案内サービス「『今から』停められる駐車場検索サービス」を開始した。リパーク事業本部事業推進部事業推進グループの石原悠太氏は、「駐車場サービスで重要なのは、場所を見つけやすくすること。モバイルARはストレスなく駐車場を見つけたいというニーズに合致していた」と理由を説明する。

 同サービスは三井不動産販売が管理するほぼすべての駐車場をカバーする。スマートフォンのGPS(全地球測位システム)情報でユーザーが今いる場所を把握し、その周辺にある駐車場の空きを検索する。結果はカメラで映した現実世界に重ね合わせて表示する。肉眼では見ることができない場所の様子を「透視」するように知ることができる。携帯電話をかざすだけという直感的なユーザーインターフェースは地図を見るのが苦手な人にも分かりやすいと好評を得ている。

 AR技術は、コンピューターで人間の活動をさまざまな側面から支援する一つの方法として、1960年代から研究されてきた。専用のヘッドマウントディスプレー越しに見える映像に、コンピューターグラフィックスやその映像に合致した文字列などを重ね合わせる技術が有名だ。視覚だけでなく触覚や嗅覚(きゅうかく)、味覚に対するARも実験が進んでいる。モバイルARは、「スマートフォンのセンサー機能が現実空間の中から検索キー(カギとなる情報)を見つけ出し、これを基に検索した有益な情報を提供する」サービスといえる。

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