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電気代の支払いだけで、工場へ太陽光パネルの設置が可能に

2010/11/24 7:00
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 長野県駒ケ根市のネクストエナジー・アンド・リソース(以下ネクストエナジー)は、工場の屋上に太陽光発電パネルを効率よく導入するためのサービスを始めた。建設会社の丸福久保田組から分社化したネクストエナジーは、自然エネルギーを普及する事業を主に手掛けている。

 工場などの施設の屋根を借りて、ネクストエナジーが太陽光発電パネルを設置して、工場に電力を供給する。サービスの利用者(工場の事業主)はパネルの設置など初期投資が不要で、電気料金だけを支払うことになる。

 パネルはサービスを提供するグループが所有するので、工場の事業主は固定資産税や太陽光パネルの故障時の維持管理費用など、将来にわたる出費が不要だ。

 サービスの活用は2010年6月30日の工場立地法改正が追い風になっている。

 工場立地法には、工場立地が環境の保全を図りつつ適正に実施されるように、緑地を含む一定の「環境施設」を設けなければならないという内容が盛り込まれている。

 具体的には、敷地面積が9000m2以上または、建築面積が3000m2以上の場合、敷地面積の25%以上の環境施設が必要になる。そのうち20%以上は緑地であることが必須だ。残りの5%は噴水や運動場、一般開放された体育館などの環境施設を導入しなければならない。

 この5%の環境施設に、6月30日の改正で太陽光発電施設が追加された。工場の屋上に太陽光発電パネルを設置することで、従来、噴水などに供していた土地を有効に利用できるようになる。ネクストエナジーは、工場を増設したいが土地がないと考える事業主などに需要があるとみている。

 都心では、緑地を設けるための土地がないという工場もある。そもそも20%以上の緑地を確保できないところもあるようだ。

1m2当たり500円前後の負担

ネクストエナジー・アンド・リソースの資料をもとに日経コンストラクションが加筆
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ネクストエナジー・アンド・リソースの資料をもとに日経コンストラクションが加筆

 上の図は、ネクストエナジーが提供するサービスの仕組みだ。

 まず、建設会社が顧客である工場の事業主などにサービスを紹介する。サービスに興味を持った工場の事業主は、ネクストエナジーや大阪ガス100%の子会社「エナジーバンクジャパン」などのサービス提供グループと契約。ここでの契約は、事業主が毎月の電気代を支払うというものだ。

 サービス提供グループは、紹介主の建設会社に太陽光発電施設の工事を発注。低価格の太陽光モジュールを持っているネクストエナジーが、下請け会社として太陽光発電パネルの調達や設置工事を担う。

 一方で、紹介主の建設会社は元請けとして工事の管理などを担当する。最終的にサービス提供グループから元請け会社に設備代金を支払って、太陽光発電施設はサービス提供グループが所有する形だ。

 工場の事業主は初期費用を抑えられ、建設会社も請負工事で利益を上げることができる。サービス提供グループも電気料金という形でフィーを得ることができる。

 規模や条件にもよるが、事業主の負担額は毎月、1m2当たり500円前後でよい。太陽光発電パネルで発電した電気代から自然エネルギーの環境付加価値の売益分などを差し引いた金額だ。

 ネクストエナジーによると、相談も含めて3~4件の商談が動きつつある。

(日経コンストラクション 真鍋政彦)

[ケンプラッツ 2010年11月22日掲載]

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