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チェルノブイリ事故25年以上、現地なお先見えず 松本市の菅谷市長に聞く
編集委員 滝 順一

(1/3ページ)
2013/2/20 7:00
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 長野県松本市の菅谷(すげのや)昭市長は、外科医として1996年から2001年まで約5年半、ベラルーシに長期滞在し、チェルノブイリ原子力発電所事故(86年)後に多発した小児甲状腺がんの治療にあたるなど医療支援を続けた。昨年7月にベラルーシを訪れ、かつての患者や知人、政府の医療関係者に会い、事故から25年以上が過ぎた現地の状況を調べてきた。

 ――昨年ベラルーシを訪問した際の現地の印象は。

菅谷昭・松本市長

菅谷昭・松本市長

 「事故後25年以上が過ぎてもまだ先が見えない。現地の人に案内してもらい、ベラルーシ政府の非常事態省の管理下にある高度汚染地(事故後10年でセシウム137の濃度が1平方メートル当たり55万5000ベクレル以上)にも立ち入った。ゴメリの近くで本当は居住禁止なのだが、居住しているお年寄りがいた。被ばくしても故郷で死にたいと希望するお年寄りらしく、政府も黙認している。私が訪問した地区では少なくとも5組の老夫婦が戻った家があり、週に一度は日用品の巡回販売車がやってくる。お年寄りたちは畑を耕し小麦や野菜を自給し、ニワトリやヤギを飼って卵やミルクを採っているようだった。驚いたことにゴメリの軽度汚染地から家族が祖父母に会いに来て、高度汚染地で栽培した食品を持ちかえっている」

 「かつて私が診療のため滞在したモーズリは原発から約90キロの距離にある。軽度の汚染地で住民の避難は行われていない。中学校を訪れて子どもたちや親、先生たちに会った。子どもたちが民族舞踊や歌で私たちをもてなしてくれたが、先生たちの話では元気そうに振る舞ってはいても子どもたちの免疫力が落ちているようで、風邪をひきやすく、ひくと治りにくい。疲れやすく集中力を欠かしがちだと心配していた」

 ――中学の生徒であれば、事故のときにはまだ生まれておらず、事故の直接の影響は考えられません。

 「確かに15歳以下の、事故後10年以上が過ぎて生まれた子たちだ。土壌の汚染は軽度(同3万7000~18万5000ベクレル)で、食品検査が実施されており汚染の心配がないものを食べている。ただ健康診断を定期的に受け心配な傾向が表れているらしい。科学的な説明は十分にできてはいない。疑うとすれば、軽度とはいっても汚染した土壌のほこりを吸い込み続けている影響か、食品の検査をしていても徹底されていないなどの理由で放射性物質の摂取がわずかながら継続していることも考えられる」

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甲状腺がん、チェルノブイリ、ベラルーシ

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