BPニュースセレクト

富士通ら、自社回収したCDやDVDをノートパソコンに再生利用

2012/8/18付
共有
保存
印刷
その他

 富士通と富士通研究所(本社川崎市)は、使用済みのCDやDVDを富士通グループのリサイクルセンターで回収し、再生プラスチックとしてノートパソコンの筐体(きょうたい)に利用するリサイクルシステムを構築した。パソコン製造業界では初めてだという。

上段が今回再生プラスチックを適用した企業向けノートパソコン「LIFEBOOK P772/E」。下段は再生プラスチックを適用した部品
画像の拡大

上段が今回再生プラスチックを適用した企業向けノートパソコン「LIFEBOOK P772/E」。下段は再生プラスチックを適用した部品

 既に2012年夏モデルの企業向けノートパソコン「LIFEBOOK P772/E」の本体前面の一部に適用している。このリサイクルシステムによって、新たに使用するプラスチックの使用量を、従来のノートパソコン製造プロセスに比べて年間約10t以上削減でき、二酸化炭素(CO2)排出量も約15%減らせるという。

 富士通グループは、全国に5カ所ある富士通リサイクルセンターにて、パソコンなどの回収・解体・分別・リサイクルを行っているが、(1)異種のプラスチック同士を加熱溶融しても均一に混じり合わない、(2)RoHS指令やREACH規則などの環境規制に対応した再生材の品質管理が難しいといった課題があり、パソコンの筐体への利用は実現していなかった。(1)については、必要な材料物性を確保するために同じ種類のプラスチックを集めたとしても、組成の差異や表面の汚れ、異物の混入といった問題により、従来品と同等の成形性・色調・強度特性などを確保するのが難しいという。

 そこで富士通らは、使用済みのパソコンの添付品として一定の回収量を確保できるCDやDVDに着目した。これらのCDやDVDは、ノートパソコンの筐体に適するポリカーボネートを主原料としており、難燃剤などの不純物を含有していないことからリサイクル材料として適している。

リサイクルシステムの流れ
画像の拡大

リサイクルシステムの流れ

 その上で、再生プラスチックに不純物が含有・混入するリスクを回避するため、富士通研究所が作成した化学物質のリスク管理データベースに基づいて品質管理を行うようにした。具体的には、素材に含まれる化学物質を管理する同データベースを用いて、回収したCDやDVDの破材に有害物質が含まれていないかを確認し、安全性とノートパソコンに必要とされる材料物性をチェックする。

 さらに、プラスチック精洗加工業者のパナック工業(神奈川県・開成町)、コンパウンド・メーカーの出光興産と協力して再生プラスチックの品質向上と安全管理を図ることで、使用済み製品を自社回収してリサイクルするシステムを確立した。今後、CDやDVD以外にも再生原料の多様化を進め、さまざまな製品への適用拡大を図りたいとしている。

(日経ものづくり 吉田勝)

[Tech-On! 2012年8月17日掲載]

共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

BPニュースセレクト 一覧

溶存水素モニターシステム「HWMS-Mark-III」

非接触で透析液中の水素濃度をモニタリング [有料会員限定]

 ピュアロンジャパンは、「第8回 医療機器 開発・製造展(MEDIX)」(2017年6月21~23日、東京ビッグサイト)の福島県のブースで溶存水素モニターシステム「HWMS-Mark-III」を披露した。…続き (23:00)

CT検査で身体を撮影した画像データをAIで解析している様子

富士通研 CT検査画像をAIで解析する新技術 [有料会員限定]

 富士通研究所は2017年6月23日、中国の富士通研究開発中心と共同で、CT検査で撮影した画像データをAIで解析する技術を開発したと発表した。過去に撮影した画像データの中から、類似の画像データを検索できる。…続き (23:00)

ドローンを使った遠隔業務支援システムの構成

HMDによるドローン操作と遠隔地支援システムを融合 [有料会員限定]

 NECソリューションイノベータ(本社東京)は、ドローンと遠隔業務支援システムを組み合わせたシステムを「第28回 設計製造ソリューション展」(2017年6月21~23日、東京ビッグサイト)に出展した。…続き (23:00)

新着記事一覧

最近の記事

日経産業新聞 ピックアップ2017年6月27日付

2017年6月27日付

・金融取引の説明不足を判定、フロンテオ AIを活用、通話記録を分析
・クラリオン、ロシアでつながる車開拓 通信ユニット、現地で生産
・コマツ 土砂運搬てきぱき ダンプ運転手のスマホに指示
・三菱製紙、カーボンナノチューブ収益減に育成 子会社でヒーター2種開発
・アマダHD、仏拠点の生産能力3倍 レーザー加工機…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

関連媒体サイト