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増殖・電気自動車ベンチャー~オレたちの挑戦

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2010/6/17 2:00
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 電気自動車(EV)の生産・販売に乗り出すベンチャー企業が増えている。電池とモーターを組み合わせれば従来の自動車に比べて手軽に製造できるため、完成車市場への「参入」を目指す動きが草の根運動的に広がっている。巨大資本に頼らないカーメーカーの現場を見てみた。

協議会でベンチャーのノウハウ結集

 6月29日、EVの普及を後押しする任意団体「電気自動車普及協議会」が発足する。そのけん引役と期待されるのは全国のEVベンチャー。各社がそれぞれ、ばらばらに蓄積してきた技術やノウハウを束ね、市場拡大を一気に進める狙いだ。大手メーカーを頂点とするこれまでの産業地図とは一線を画する。

 「既存メーカーはもちろん、新規参入企業を含めて日本の(EVの)技術力はすごい」。協議会の会長に就任するベネッセホールディングスの福武総一郎会長が指摘する。

「EVミニスポーツ」に乗るタジマモーターの田嶋会長
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「EVミニスポーツ」に乗るタジマモーターの田嶋会長

 協議会には、EVベンチャーだけでなく、中古車販売大手のガリバーインターナショナルやコンビニ大手のローソンなど異業種の大企業、大学なども参加する予定だ。安全基準づくりや技術者の育成、ベンチャー資金の調達など、EV産業を育て、安心して利用できる環境を整える。具体的には、ガソリン車をEVに改造する場合の基準を2010年度内にまとめ、12年度までに3000人の技術者教育を見込むなど、掲げた目標は野心的だ。協議会の会員は法人、個人を問わず広く募り、政府や自治体にも連携を呼びかける。

 ベネッセは慶応大学が開発した技術をもとにしたEVベンチャーのシムドライブ(東京・千代田)に出資するなど、EVを教育や介護に続く将来有望な事業分野と位置づけている。だが、異業種の福武氏が協議会の取りまとめ役を買って出た理由は、それだけではないだろう。日本を代表する起業家である福武氏から見ても、全国に散らばるEVベンチャーの経営者が放つ個性やこだわりのあるもの作りには、引きつけられるものがあるに違いない。

 では、EV起業家とはどんな人たちなのか。いくつかの企業を訪ねてみる。

 曲線に覆われた細長い本体から突き出た4つのタイヤ。一人乗りEVの「EVミニスポーツ」は「F1カーとゴーカートの中間」を思わせるデザインの超小型車だ。静岡県磐田市にあるタジマモーターコーポレーションの工場で、写真を撮りたいと言うと、田嶋伸博会長が巨体を運転席に潜り込ませ、ポーズを決める。

手持ちの車をガソリンスタンドでEVに

 本業はレース事業。自らレースカーを作って参戦し、スポンサー料などを主な収入源としている。しかし2008年秋のリーマン・ショックで市場は急速に冷え込んだ。そこで新たな事業の柱に、と考えたのがEV。「車体を軽く、空気抵抗を減らして走行性能を高めるのはレースカーもEVも同じ。これまでの経験が生きる」

 タジマモーターにとってEV第1号であるEVミニスポーツは一台一台手作りだ。鋼管を使った骨組みから自前で手がける。今年初めに受注を始め、納車は8月の予定。価格表を見ると、本体価格は207万9千円。顧客はこれに好みの電池を選んで載せることになる。鉛からリチウムまで4種類あり、価格は22万8480-246万8550円。田嶋氏は3年程度で500台を販売できれば投資を回収し、新型モデルの開発に着手できると説明する。

 EVは従来のガソリン車とは違い、巨額の投資が必要でノウハウの塊とも言えるエンジンや複雑な変速機といったパーツが不要。骨組みに外部から調達する電池とモーターを組み込み、ボディーをかぶせればベンチャー企業の工場でも生産が可能だ。

「是非、当社の部品を使って欲しい」――。EVミニスポーツ発表後、国内外のメーカーからタジマモーターへの売り込みが殺到している。田嶋氏はより安くて高性能の部品があれば、ためらわずに仕様を変更し随時、切り替える。「小刻みなマイナーチェンジ」は従来の車にはない、EVミニスポーツの持ち味だ。

 実はタジマモーターの「本命」は別にある。工場でそれも見せてもらう。

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