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小資源国のレッテル剥がせるか、「燃える氷」の夢と現実

(2/2ページ)
2013/4/18 7:00
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■探査にハイテク船や高精度センサー

 メタンハイドレートの埋蔵場所を特定する方法は、石油探査の方法と原理的に同じだ。石油探査では、埋蔵している可能性のある場所に振動を与え、周囲に設置した振動センサー(加速度センサー)で反射波を拾う。この反射波を分析して地底の様子を推定する。

 振動センサーには、比較的高価な「MEMS(微小電子機械システム)」という技術で加工されたセンサーが使われている。メタンハイドレート探査によって、こうした高精度なセンサーの応用が広がる可能性がある。

図4 ガス生産部の概念図。仕上げ区間に減圧法を適用している(図:経済産業省)
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図4 ガス生産部の概念図。仕上げ区間に減圧法を適用している(図:経済産業省)

 天然ガスの回収方法については、いくつかの方法がある。2013年3月の渥美半島沖での生産では、海底から採取したメタンハイドレートから、安定的かつ継続的に水とメタンを分離した。分離には「減圧法」と呼ばれる手法を使った(図4)。地底あるいは海底の高圧状態から一気に圧力を下げて分離を促す手法だ。

 4月からの日本海での調査では、海底の比較的浅い地層のメタンハイドレートから天然ガスを安価に回収することを狙う。4月5日に経済産業省が開催した「メタンハイドレート開発実施検討会(第24回)」では、無人潜水調査船などを使って地質・地形を調査することが明らかになった。無人潜水調査船は、HD(高精細)カメラ、ロボットアーム、観測機器などを搭載するハイテク船だ。

■シェールガスもライバル、コスト低減が課題

 メタンハイドレートから天然ガス(メタンガス)を回収するコストは、すでに公開されている将来見通しでは、直近の天然ガス価格よりも高い。メタンハイドレート資源開発コンソーシアムによると、2007年までに試算した生産コストは、比較的深い層に存在するメタンハイドレートから産出する場合に1m3当たり46円~174円だった。ここ数年での日本における天然ガスの市場価格は、1m3当たり10円~30円前後である。

 海底表層から産出する場合には、この試算よりコストを抑えられるとの見方はある。またメタンハイドレートの本格的な商業化を目指している約10年後のガス価格は、現時点では見通せない。しかし、生産コストを引き下げる技術が「メタンハイドレート産業」の競争力を左右することは間違いない。

 コストが重要になる背景には、頁岩(けつがん=シェール)層と呼ばれる硬い岩盤に含まれる「シェールガス」の開発が米国などで進んで、天然ガスの国際価格の引き下げ要因となっていることがある。シェールガスを日本に輸入する場合には、LNG化する液化設備が必要であり、さらに輸送コストがかかるため、国際価格がそのまま即座に日本市場での価格に反映されるわけではない。それでも長期的にはメタンハイドレートのライバルとなり得る。

 将来的に、採算に見合うコストでメタンハイドレートから天然ガスを回収する技術を開発することに成功した企業は、海外でのメタンハイドレート開発事業にも参画しやすくなる。政府は事業化を支援し、メタンハイドレート開発を海外展開が可能な「大型インフラ産業」として推進していく狙いである。

(Tech-On! 三宅常之)

[Tech-On!2013年3月14日の記事を基に再構成]


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