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医療でも3Dプリンター 人工骨をカスタムメイド 13年の注目技術6位

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2013/12/12 7:00
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 経済ではアベノミクスに沸いた2013年、社会に大きなインパクトをもたらした技術は何か――。IT(情報技術)や医療、建設、電気・機械の分野を対象にした雑誌を発行する日経BP社では、専門記者200人が今年注目された300以上の技術を挙げ、その中から4人の審査員(ノンフィクション作家の山根一眞氏、日経トレンディの渡辺敦美編集長、日経ビジネスの山川龍雄編集長、日経WOMANの佐藤珠希編集長)がベストテンを選出した。今回は、ベストテンで6位となった3Dプリンターを取り上げる。3Dプリンターは以前から企業の研究開発などの用途で使われてきたが、低価格化が一気に進んだことで、応用の裾野を急速に広げている。

 3次元(3D)データを基に、インクジェットプリンターの要領で薄い断面を重ね塗りしていくことで立体造形物を作り出す「3Dプリンター」。成型法はさまざまで、樹脂を熱で溶かして極細ノズルで射出してから自然冷却させるタイプや、光硬化性の樹脂を射出した後にレーザー光で固めるタイプ、粉末に接着剤を吹きつけていくタイプなどがある。

 断面を重ねて成型するため、内部に細かい空洞を作ったり、微妙な曲面を出したデザインを作るのに向いている。これまでは企業や研究所での使用がメーンだったが、ここ数年で10万円を切る製品も出てきたため、個人での所有が増加している。CAD(コンピューターによる設計)ソフトでスマートフォン(スマホ)のケースやフィギュアなどのオリジナル作品を作り、その設計図となる3Dデータをインターネット上で公開する人も出てきた。

■既存の人工骨の欠点克服

 3Dプリンターの技術は医療分野にも応用されている。東京大学と医療材料の開発を手がけるベンチャー企業のネクスト21(文京区)が共同開発したのは、先天性の小顎症やがん切除、交通事故などの外傷によって、顔面の骨が欠けてしまった人に移植する、カスタムメイド人工骨だ。

 この人工骨の作り方は、まず患者の顔の骨をコンピューター断層撮影装置(CT)でスキャンし、欠損部の3Dモデルを構築(写真1)。そのデータを特殊な3Dプリンターに取り込み、リン酸カルシウムなどからなる骨の前駆体の粉末に硬化液を吹きつけて成型する、というものだ(写真2)。

[左]写真1 欠損部の3Dモデル
[右]写真2 骨の前駆体の粉末に硬化液を吹きつけて成型

[左]写真1 欠損部の3Dモデル
[右]写真2 骨の前駆体の粉末に硬化液を吹きつけて成型

 この人工骨が優れているのは、誤差1mm以内で欠損部にぴったりはまる上、支持性が高い点。既存の人工骨には、欠損部に合うように成型できるが支持性が弱く、術後に変形しやすい「ペーストタイプ」と、頑丈だが精密な成型ができず、異物と見なされて術後に皮膚から露出してしまうこともある「焼結タイプ」の2種類がある。3Dプリンターによる、カスタムメイド人工骨は、両者の欠点を克服した。

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