日本経済新聞

4月18日(土曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

まもなく離陸、新しい交通システム 「ホンダジェット」の全貌(1)

(1/3ページ)
2012/5/9 7:00
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 ホンダが20年以上の歳月を費やして開発した小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」が、顧客への引き渡しに向けてカウントダウンに入った。2012年内に量産を始め、翌2013年後半には供給を開始する。本連載では、競争力の裏づけとなる斬新な技術を搭載した機体、その技術を開発したR&Dセンター、機体として生産する量産工場など、HondaJetの全貌をさまざまな角度から解説する。

 「HondaJetは、客室(キャビン)内の広さ、燃費の良さ、飛行可能な速度のすべてで既存の小型ビジネスジェット機に勝っている」。米Honda Aircraft社の社長兼CEO(最高経営責任者)の藤野道格氏は、HondaJetの競争力の高さについて自信を見せる(図1)。

図1 これが小さな都市間を移動する新交通システムだ
画像の拡大

図1 これが小さな都市間を移動する新交通システムだ

 例えば、キャビンの広さ。従来の小型ビジネスジェット機では、向かい合って座った乗客の足元のスペースが非常に狭く窮屈に感じる。これに対しHondaJetでは、乗客同士の足がぶつかることなくゆったりと座れる(図2)。燃費については、従来の同級機クラスのビジネスジェット機よりも約20%向上させた[注1]

図2 HondaJetのレイアウト例  胴体にエンジンを取り付ける必要がなくなったため、胴体を貫く構造部材などが不要になり、客室(キャビン)や荷室のスペースが広がった。上の図は、乗員2人、乗客5人の場合のレイアウト例。向かい合う座席の足元のスペースも広い。
画像の拡大

図2 HondaJetのレイアウト例  胴体にエンジンを取り付ける必要がなくなったため、胴体を貫く構造部材などが不要になり、客室(キャビン)や荷室のスペースが広がった。上の図は、乗員2人、乗客5人の場合のレイアウト例。向かい合う座席の足元のスペースも広い。

 このHondaJetは、新しい交通システムというコンセプトの下に開発された。例えば広大な米国では、小都市間の移動に空路を使うことが多い。しかし、必ずといっていいほどハブ空港を経由する路線になっているので、乗り継ぎなど時間のロスが発生する。従って、空路による出張だと2日仕事になるのが当たり前だった。ところがもし小都市から小都市へと直接飛べたら、2日仕事が1日仕事に短縮される。藤野氏は、こうした交通システムを実現すれば、多くの利用客が望めると考えたのである。

 とはいえ、乗り心地が悪く利用料金が高ければ客は離れ、せっかくの交通システムも絵に描いた餅に終わってしまう。そこでHondaJetの開発では、キャビンの広さも利用料金に直結する燃費も、「米国における国内線のファーストクラス」(同氏)を基準とした。

 現状のビジネスジェット1機の利用料金は、小型機でも1時間当たり2000米ドルに近い。これを1000~1500米ドル程度に安くできれば、例えば4人で利用した場合には1人当たりの料金が250~375米ドルと、米国内のファーストクラス並みになる。併せて、ファーストクラス並みの乗り心地を確保できれば、これまで高根の花だった小型ビジネスジェット機の利用客が大幅に増えると読んだのである。

[注1] 機体の価格は450万米ドルである。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

ホンダ、HondaJet、航空機、ビジネスジェット、ジェットエンジン、風洞、主翼、空力抵抗、造波抵抗

日経BPの関連記事

【PR】

【PR】

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

日経産業新聞 ピックアップ2015年4月17日付

2015年4月17日付

・東海大、ガステックと小型センサー
・富士石油、製油所の電気100%自前
・三菱電機、放電加工機に内蔵型測定装置
・アキレスが抗ウイルスフィルム開発
・エース、アジア開業・改装 年10店…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について