中部空港が大型貨物の扱い強化、「787」保管庫を整備

2012/4/14付
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 中部国際空港は航空機部材をはじめ大型貨物の取り込みに向けて輸送力を向上する。米ボーイングの最新鋭の中型旅客機「787」向け専用保管庫を2013年1月に建設する。専用の輸送路をすでに備えており、今後の増産を見据えたインフラ整備を進める。航空宇宙産業に特化した特区内の空港として特長を最大限に生かしたうえで、航空機部材以外でも大型貨物の需要獲得に乗り出す。

 中部空港は07年1月から、「787」の主翼や胴体などを運ぶ専用輸送機「ドリームリフター」が離着陸している。三菱重工業などの生産拠点からいったん空港まで海上輸送された後、ドリームリフターでボーイングの米組み立て拠点に運ぶ。こうした利用に対応する輸送路、岸壁などのインフラを持つ。

 ボーイングは13年末までに生産を現行の月3機から10機に引き上げる方針。今後の増産に備えて、中部空港は約6億円を投じて自前で保管庫を建設したうえでボーイングに賃貸する。天候不順などで輸送への支障が予想される場合も、保管庫で一定程度の部品を持つことで生産スケジュールへの影響を軽減する。専用機の離着陸は11年度を通じて55回だが、10機体制では月あたり20回程度にまで一気に増加する。

 中部空港は、こうした航空・海上それぞれを一貫輸送できる「シー&エア」と呼ぶ機能をアピールすることで、新規顧客の獲得への呼び水にする。

 実際に昨年の東日本大震災後はエネルギー不足を補うため、海外から発電機を緊急輸入した際にも強みを発揮した。大型貨物に対応できる空港として評価され、発電機を中心に25便の大型貨物輸送機を迎え入れた。同空港で船舶に積み替えられ日本各地に届けられた。

 他空港より岸壁の強度が高く、超重量の貨物も受け入れられ、航空機の輸送で培ったノウハウを生かした。川上博社長は「今回の案件を輸送業界に売り込み、大型貨物ならセントレアという定評を得たい」としている。航空機、プラント以外にも、短時間で運べる利点を武器に新たな利用を積極提案する。

 中部空港の国際貨物の取扱量は07年度に20万トン超あったが、リーマン・ショックや円高などが響き、直近はほぼ半減して10万~11万トンほどと低迷する。そのうち「787」など航空機向けは数%にとどまっており、今後は底上げを期待される。

 愛知、岐阜県などの自治体と中部空港は「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」として国際戦略総合特区の認定を国から受けた。税制面での優遇、規制緩和などが予定される。「輸送で求められる煩雑な認可事項を一元化するなどのアイデアがある」(川上社長)としており、競争力の高い国際空港として浮上したい考えだ。

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