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メタンハイドレート、愛知・三重沖に「濃集帯」

2013/3/13付
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 政府が12日にガス採取に成功した海底の「メタンハイドレート」。愛知・三重県沖にはメタンハイドレートが集まった「濃集帯」が存在すると見込まれており、中部経済に与えるインパクトは大きい。愛知県や三重県もエネルギー関連の新産業創出に向けて動き出した。

 メタンハイドレートの研究は愛知・三重県沖での調査が比較的進んでおり、メタンハイドレートが集まる濃集帯があると推定されることから今回の試掘対象となった。

 今回採用した産出方法は地層の圧力を下げて水とガスに分解する「減圧法」。まず、ガスを吸い上げるための井戸として海底下の地層まで鋼管を伸ばす。さらに水をくみ上げて井戸の周辺の圧力を減らす。これによりメタンハイドレートの分解を促し、気化したメタンガスを回収する。

 商業生産には安全確保などの課題をクリアする必要がある。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の担当者は「減圧法が海上で有効かを確認することが今回の最大の目的。安全性に問題がないかを一つ一つつぶしている段階」と説明する。

 コスト低減も課題だ。産官学の研究組織、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)の試算によると、メタンハイドレートの産出コストはメタンガス1立方メートル当たり46~174円ほどとされる。一方、現在日本が輸入している液化天然ガス(LNG)価格を基に算出した1立方メートル当たりの価格は40~60円程度だ。

 過去にカナダのメタンハイドレート産出に伴うデータ解析に携わったという名古屋大学の渡辺俊樹教授(地下探査)は「海底で減圧法が使えると確認できたことは大きな一歩」と評価する。一方で「なるべくエネルギーをかけずに回収することが重要。今後は産出に要するエネルギーの圧縮を進めることが課題になる。ガスの運搬や貯蔵方法の確立も求められる」と指摘した。

 地盤への影響も調べる。海底からガスを取り出すことで、地盤の傾きや沈下が生じる可能性も指摘されている。試掘でも周囲に傾きやメタンの漏洩の有無を計測する機器を取り付けて、地盤や海中環境に与える影響を調べるという。

 名古屋工業大学の前田健一教授(地盤工学)は「採取は地盤にストローを入れてガスを吸い出すイメージ。海底で何が起こるのか予測しがたい面があった。地盤が沈下すれば、海上のプラントの安全性にも関わり、試掘で影響がないとデータで示すことが重要になる」と述べた。

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