北海道、コメ増産受け入れに出遅れ 震災で産地が生産枠返上も

2011/4/23付
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 2011年産米の生産数量目標(生産枠)のうち、東日本大震災で被災した産地が返上した合計4万5000トンに対し、道内の受け入れ表明分はわずか1500トンにとどまった。作付け時期を控え苗の育成が始まっており、急な増産対応ができないためだ。ただ、22日には政府が福島県に5万トンの作付け制限を発動。今後はコメの流通量も低下しかねないなか、広大な農地を有する北海道の役割に期待が集まる。

 被災した産地が返上した生産枠について、農林水産省は全国の都道府県の受け入れ意向を取りまとめた。秋田県が約6000トン、青森県が約3400トンを表明したが、全体では3万トンにとどまり、約1万5000トン分が埋まらなかった。

 道内は1500トンにとどまるが、作付けを控えた生産現場では「3月のうちなら主食用米で増産対応できた」(旭川の農業生産法人)という声が多い。

 生産枠の割り振りが遅れたのは、復旧作業に追われる被災地の自治体が水田の実態調査など迅速に進められなかったことが大きい。ただ、北海道側も積極的には働き掛けず、様子見にとどまっていた側面もある。

 生産枠の調整を巡っては、既に3月の段階で全国農業協同組合中央会(JA全中)が農水省に「被災により作付け不能となった場合の県間調整の実施」を要望していた。これに対し、JAグループ北海道は「被災県から生産枠を取り上げる話になりかねず、(被災県から)申し出があった場合のみにすべきだ」とJA全中に申し入れた。被災地に配慮した格好だが、最終的には産地の生産枠を埋めきれない結果になった。

 コメ生産枠は、前年の生産量(実績)をベースに在庫量(売れ残り量)を差し引いて算出する。今後もこの手法のままでは被災地の持ち分の算出が難しくなるため、生産枠のあり方が抜本的に見直される可能性が高い。

 飯沢理一郎・北海道大学教授は、「被災地を支え日本の食料自給率を向上させていくには北海道が率先してコメの増産を受け入れる必要がある」と語る。11年産米にとどまらず数年以上にかかわる対策だけに、広大な土地を有し専業農家も多い道内農業の役割は大きいという。(伊藤敏克)

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