キャプテンの重み(震災取材ブログ)

2011/8/9付
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 「こんな時にスポーツをしていていいのかな」。仙台市に住む柳川奈美子さん(25)は迷っていた。デフバレーボール(聴覚障害者のバレーボール)女子日本代表の主将として、米国遠征の準備をしているときに震災が起きた。宮城県石巻市に住む姉とは10日間、連絡が取れない。ようやく見られるようになったテレビで亡くなった人の多さを知ると、出場をやめようと思った。

柳川さんは母親と一緒に作った募金箱で義援金を集めた

 そんなとき、携帯電話に届いたのが監督からのメール。「キャプテンだろ。大会に参加しないことで(被災した人に)何かを伝えられるの?」。

 女子代表は2009年のデフリンピック(聴覚障害者の国際スポーツ大会)で銅メダルを取るなどの実績がある。本当にスポーツができなくなった人の分まで頑張ることが大事なのではないかという問いかけに、柳川さんは「キャプテンの重みをもう1度良く考え直すことができた」と話す。

 7月末から渡米し、世界トップのウクライナなど3カ国と対戦した。チームメートに呼びかけ、手作りの募金箱で義援金も集めた。

 サッカー日本女子代表のなでしこジャパンは世界一になってさわやかな感動を与えた。競技の注目度は違っても、主将という立場の重さや被災地への思いを背負って戦う難しさは変わらない。柳川さんの決断にエールを送りたいと思った。(谷口誠)

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