大阪市平野区で昨年7月、姉(当時46)を自宅で刺殺したとして、殺人罪に問われた無職、大東一広被告(42)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は30日、求刑の懲役16年を上回る懲役20年を言い渡した。発達障害の一種、アスペルガー症候群が動機の形成に影響したと認定した。
刑事裁判では精神障害などを理由に刑を軽くする例が多く、重くする判決は異例。判決について、発達障害者らの弁護に取り組む辻川圭乃弁護士(大阪弁護士会)は「障害を理由に刑を重くしている。障害に対する無理解、偏見に基づく判決だ」と批判している。
河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告が、被告を自立させようとした姉を逆恨みした動機の形成には、被告の症状が影響したと認定。「社会内で被告の受け皿が何ら用意されていない。許される限り長期間刑務所に収容することが、社会秩序の維持にも資する」として有期懲役刑の上限を選択した。
弁護側は同障害を理由に、保護観察付き執行猶予を求めていた。
判決によると、大東被告は昨年7月25日、自宅に生活用品を届けに来た姉を包丁で多数回刺して殺害した。
判決について、板倉宏日大名誉教授(刑法)は「障害がある場合、量刑が軽くなるケースが大半。法律の専門家からすれば違和感が残る」と指摘した。
発達障害、大阪地裁、板倉宏
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