カネミ油症救済法成立、患者ら「大きな救済への一歩」

2012/8/29付
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 1968年に西日本一帯で起きた食品公害「カネミ油症」の被害者救済法が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。1人当たり年24万円の支給が柱。患者や支援者らは北九州市で開いた集会で、法成立の瞬間を見守った。44年に及ぶ闘いの末に手にした初めての公的救済。「ようやく救済への一歩が始まった」との声が上がった。

 救済法は9月5日に公布、施行される。同法には明記されていないが、具体的施策として、カネミ倉庫は認定患者に年5万円の一時金を支払うほか、国は、来年度から実施する毎年の健康実態調査を受けた患者に年19万円の支援金を支給する。

 集会には約80人が集まり、参院本会議を映すスクリーンを見守った。全会一致で可決されると長崎県諫早市の認定患者、下田順子さん(51)は「やっと法律ができた。うれしい」と泣き崩れた。父と妹が未認定患者のため、認定患者の家族も救済対象にするよう強く求めてきた。同県五島市に暮らす母(79)に電話し、「生きていて良かった」と喜びを分かち合った。

 同県の「カネミ油症五島市の会」事務局長の宿輪敏子さん(51)は「やっと認めてもらえて、純粋に喜びたい。救済への一歩が始まった」と笑顔。半面「甚大な被害に対して小さすぎる救済。これからは子供や孫など次世代も含めた真の救済を求めていきたい」と決意を新たにした。

 カネミ油症を巡っては、発生後の一連の集団訴訟が終結した1989年以降に認定された患者55人(うち3人は死亡)がカネミ倉庫などに、1人1100万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こしている。30日に原告らが最終の意見陳述をし、4年に及んだ訴訟は結審する。

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