救急出動が増加の一途、半数は不要不急 東京都内
13年74万9000件、通報者も判断難しく

2014/1/29付
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 119番の救急車要請の増加に歯止めがかからない。2013年の東京都内の救急隊の出動件数は74万9千件に上り、過去最高を更新した。出動の半数は結果的に軽症と診断される不要不急の事案だった。東京消防庁は「緊急性の高い事案に効率的に出動することでより多くの命を救える」と適正な利用を呼びかけるが、痛みや出血に動揺する通報者が救急搬送の要不要を判断するのは難しい面もある。

救急要請が絶えない東京消防庁の災害救急情報センター(20日、東京都千代田区)

 「ドアに指を挟み爪がはがれた」。今冬のある日、都内の20代男性から119番通報を受け、救急隊が駆け付けた。けがは爪の先がわずかにはがれていただけ。出血も止まっていた。別の日には60代女性から「自転車と足が接触した」と救急搬送の要請。隊員が確認すると、腫れや出血はなく打撲だけだった。

 救急要請には全て出動して対応するのが原則だ。この2件はいずれも救急隊員が軽傷と判断、搬送せずに近くの医療機関を紹介し、自力での通院を促した。

 東京消防庁によると、13年の救急隊の出動件数は前年比7300件増の74万9千件。08年以降増加が続いており、5年で10万件近く増えた。

 背景にあるのが高齢者の救急搬送の増加。75歳以上の搬送者は22万1千人で全体の約3割を占め、09年(16万6千人)の1.3倍以上に達した。同庁救急管理課の担当者は「高齢者はけがや病気が悪化しやすく、通報が多い。出動件数の増加は今後も続くだろう」と分析する。

 ただ、不要不急の事案も少なくない。救急車で病院に搬送した結果、軽症と診断されたケースは昨年、全体の51%に上った。

 救急車や人手には限りがあるため、離れた場所にある車を向かわせるケースも増加。消防署を出発してから現場に着くまでに要した時間は平均で7分54秒で、09年から1分36秒延びた。

 同庁は緊急性の低い通報を減らすため、119番すべきか判断に迷う場合は医師や救急隊員経験者が24時間体制で相談に応じる「救急相談センター(#7119)」の利用を呼び掛ける。同庁ホームページでは質問に答える形で緊急性を判断できる「救急受診ガイド」も公開している。

 ただ、救急相談センターの昨年の利用件数は8万9千件、受診ガイドのアクセス数も9万件にとどまり、119番に比べると、認知度の低さは目立つ。担当者は「余裕がある場合には救急出動を要請する前にセンターに連絡してほしい」としている。

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