最終報告書の再提出せず 九電、やらせメール問題で

2011/12/23付
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 九州電力の「やらせメール」問題で、同社は22日、当初予定していた最終報告書の再提出をしない方針を明らかにした。佐賀県の古川康知事の発言がやらせの発端とする第三者委員会の見解を事実上否定し、知事に責任はないとする従来の見解を維持。21日の定例取締役会を開かなかった翌日の唐突な方針表明で、事実認定をうやむやにしたまま幕引きを図ろうとしており、問題の収束は依然として見えない。

 九電の深堀慶憲副社長は同日午前、経済産業省で資源エネルギー庁の高原一郎長官と会い、再発防止策の取り組み状況を報告した。原子力発電部門と火力発電部門を2012年7月をメドに統合させることなどを伝えた。

 原発部門はやらせに組織的に関与し、独善的との批判を浴びた。組織の統合で人事交流などを進め、意思決定の透明化などにつなげるという。

 玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡るやらせ問題で、10月14日に経産省に提出した九電の最終報告書は「古川知事の発言がやらせに決定的な影響を与えた」と認定した第三者委の見解を採用せず、枝野幸男経産相は「理解不能」などと批判した。

 これを受け、九電は最終報告書を再提出する予定だった。しかし、深堀副社長は22日午後、福岡市内で報道陣に対し、第三者委の見解について「真摯に受け止める」と繰り返すにとどめ、第三者委が指摘した古川知事の関与や佐賀県との不透明な関係に関しては、「社外の方についてどうのこうの言う立場にない」などと曖昧な答えに終始。「最終報告書を再提出することは考えていない」と明言した。

 九電は21日に予定していた定例取締役会を「議題がないため」(社長室)との理由で開かなかった。しかし、翌22日、経産省にやらせ問題の追加の再発防止策などを文書で提出した上で、最終報告書を再提出しない方針を打ち出すという重要な「経営判断」を下した。

 こうした矛盾について、深堀副社長は「10月に国へ提出した際に最終報告書を取締役会で決議している。今回は第三者委報告を真摯に受け止めるという趣旨なので、(取締役会の)決議は必要ない」と弁明した。

 最終報告書を再提出しないことを取締役会に諮らずに決めたことに対し、一部の取締役は不満を募らせている。このため、九電は26日に急きょ取締役会を開き、事後承諾を求める方針だ。

 枝野経産相は22日の記者会見で、「信頼を失うのは一瞬だが、信頼回復は一瞬では変わらない」と強調。「今後の九電のガバナンス(企業統治)のあり方について慎重に見守りたい」と述べ、今後も九電の動向を注視していく考えを示した。

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