血液検査で飲んだ酒を推定 埼玉県警とキリンが開発

2010/10/30付
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 血液を調べれば、何を飲んだかお見通し――。埼玉県警科学捜査研究所などは、血液を分析して飲んだ酒の種類を推定する方法を開発した。分解が進む血中のアルコールの原料を判別する方法は世界初といい、県警は「実用化はまだ先」としつつも「将来的に飲酒運転などの捜査に活用できる」と期待している。

血液検査をしただけで、飲んだお酒が分かってしまう
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血液検査をしただけで、飲んだお酒が分かってしまう

 通常、警察が飲酒運転を摘発する際は呼気に含まれるアルコールの濃度を判断基準とし、飲んだ酒の種類は関係ない。ただ、「(ごく微量のアルコールを含む)栄養ドリンクを飲んだだけ」などと故意を認めない違反者も多いといい、言い逃れを防ぐには飲んだ酒を後から推定できる方法が有効だ。

 県警とキリンホールディングスフロンティア技術研究所の共同研究チームが着目したのは、アルコールに含まれる炭素原子。自然界には質量が異なる2種類の炭素原子が存在し、光合成の仕方の違いが原因で、植物の種類ごとに構成比率が微妙に異なる。例えば、米や麦などはトウモロコシやサトウキビに比べ、軽い炭素原子の比率が比較的大きい。これらが原料のアルコールも同様だ。

 酒のアルコールが体内でアセトアルデヒドや酢酸に分解される際、軽い炭素原子の方が早く分解するため、血中のアルコールは時間経過に伴って重い炭素原子の比率が大きくなる。研究チームはこの性質を応用した。

 実験で、8人の被験者にトウモロコシが原料のウイスキーを飲んでもらい、60~80分おきに採血を計3回実施。血中のアルコールに含まれる炭素原子の比率を測定した結果、人が違っても、重い炭素原子の比率がほぼ一定のペースで増加することを突き止めた。このペースを酒の種類ごとに把握できれば、どんな酒を飲んだか血液からさかのぼって調べられる。

 現時点では複数の酒を「チャンポン」した場合に対応できないなど「実用化への課題は多い」(県警科捜研)が、将来的に飲酒運転の被疑者の供述を裏付けたり、飲酒した時間を逆算したりするのに活用できる可能性があるという。

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