累積放射線量、28作業員が基準値超え 福島第1原発

2011/4/17付
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 東京電力福島第1原子力発電所で、復旧作業を担う作業員のうち、累積放射線量が従来基準の100ミリシーベルトを超えた人が28人に上ることが、16日までの東電の調査で分かった。高濃度の放射性物質の漏洩が今後も長期間続けば、さらに増える恐れもある。「レベル7」の事故現場での被曝(ひばく)への不安は、作業員や派遣会社の間で日増しに高まっている。

 「一歩間違えれば大変危険な作業」。原発の外部電源の復旧や原子炉への淡水注入などの作業に携わるため、関連会社も含め合計約350人の技術者を、福島第1原発に派遣した日立製作所の担当者の胸中は複雑だ。

 福島第1の4号機を製造した同社の作業員は「原発を何とかしたいという思いがあり、士気が高い」(同社)が、タービン建屋地下や敷地内のトレンチ(坑道)の水たまりからは高濃度の放射性物質が検出。高濃度汚染水の除去作業は度重なる余震の影響で遅れ、ようやく12日に始まったが、作業環境は厳しい。同社は「作業員の被曝量の制御がより重要になる」と気を引き締める。

 同原発では先月24日、関電工など東電の協力企業の作業員3人が復旧作業中に170ミリシーベルト以上という多量の放射線を浴び、病院などで検査を受けた。他に累積線量が100ミリシーベルト以上の作業員は16日現在、東電社員で25人確認されている。

 厚生労働省は今回の原発事故を受け、復旧作業が円滑に進むよう作業員の累積線量の上限を従来の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。しかし原発内では、わずか数十分程度の作業で限界線量に達してしまう危険箇所も多い。

 厳しい作業環境の中、毎日200人前後の作業員を第1原発に派遣している東芝も作業員の被曝状況に気を配る。「社内の被曝上限値を100ミリシーベルト以下に設定し、安全管理を最優先にする」(同社)

 東電も「線量計の値が高ければすぐに退避、水たまりに入った場合はすぐに作業を中断する」とし、事故の再発防止に全力を挙げる方針。ただ、作業員には東電の地元協力企業の社員らも含まれ、指示が末端まで伝わりにくい側面もある。

 同原発の事故レベルは1986年のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」に引き上げられた。原子炉からの放射性物質の流出量は減っているが、流出が止まる見通しは立たず、作業員の厳しい状況は続く。

 元放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター長の辻井博彦氏は「福島第1の作業現場は本当に過酷。危険ならばすぐに退避すべきだが、一刻も早く事故を収束させる必要もある。会社や作業員は難しい選択を迫られる」と指摘している。

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