今世紀末の洪水リスク、温暖化で最大4倍超も

2013/4/12付
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 地球温暖化が今のまま進むと、今世紀末には大雨が増加し、河川の洪水リスクが現在と比べると1.8~4.4倍になると予測した報告書を環境省と文部科学省、気象庁が12日、公表した。東京、大阪、伊勢湾沿岸では海抜ゼロメートル地帯の面積が1.5倍に広がり、高潮被害の危険性が高まるとも指摘。日本の気候や水環境、生態系などに深刻な影響が懸念されるとしている。

 3省庁が共同で温暖化に関する報告書をまとめたのは2009年以来2度目。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測モデルなどを利用し、国立環境研究所、気象研究所、海洋研究開発機構などの専門家で構成する委員会が分析した。

 日本の今世紀末の平均気温は20世紀末に比べ2.1~4.0度上がる。温暖化が続くと、全国では真夏日(最高気温30度以上)が現在より年間25日増えると予測した。

 また1時間に50ミリを超える強雨の頻度がすべての地域で増え、強い台風が接近する回数も増えるとした。

 気温が約3度上昇した場合、1級河川で洪水が起こる確率は計算条件により1.8~4.4倍になる。相模川(神奈川県)、安倍川、菊川(ともに静岡県)の流域ではさらにリスクが高まるとの予測もある。一方で、北日本と中部の山地以外は河川の流量が減少し、毎年、渇水が深刻化する。

 東京、大阪、伊勢湾沿岸の海抜ゼロメートル地帯には、現在400万人規模が暮らしている。温度上昇で海面水位が60センチメートル高くなると、ゼロメートル地帯の面積は合計で1.5倍となり、そこに住む人口は600万人規模に膨れあがる。

 高潮被害については、現在は南西諸島の東方海上とオホーツク海で20メートル級の波高が発生するリスクがあるが、将来は太平洋沿岸地域でも起きる可能性がある。

 熱帯地域で流行する感染症のデング熱を媒介する蚊「ヒトスジシマカ」の分布域は35年に本州北端に、2100年に北海道にまで広がる。日本沿岸の熱帯・亜熱帯サンゴ礁の分布域も北上するものの、海洋の酸性化が進むため、30~40年代には消失する。

 政府は14年度をめどに、治水・洪水管理、熱中症や感染症への対策、生態系の保全などの対策をまとめる方針。二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスを減らしていく対策とともに、温暖化に備えた対策を打ち出し、影響を最小限にとどめる考え。

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