入学前からネットで「同期会」 大学生活の不安解消
学校側が促すケースも

2011/3/27付
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 同じ大学に合格した高校3年生らが、入学前にもかかわらずインターネットを通じて“同期会”を結成し、友情を深めている。「入学式の服装は?」「おすすめのバイトは?」。学生生活の不安解消などに役立っているといい、大学主導でこうしたネット交流を促すケースも出てきた。背景には、推薦や人物重視型のAO(アドミッション・オフィス)入試が普及し、数カ月前に合格が決まる学生が増えている事情もあるようだ。

SNSを通じて同じ大学に入学予定の高校生らが開いた交流会(東京都新宿区)
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SNSを通じて同じ大学に入学予定の高校生らが開いた交流会(東京都新宿区)

 「はじめまして」「やっと会えたね」。先月下旬の東京・JR新宿駅。待ち合わせの人たちでごった返す夕方の東口に、10代の男女約20人が次々と集まってきた。都内のある私立大に入学予定の高校生らで、顔を合わすのはこの日が初めて。全員別々の高校に通い、普段はネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でやり取りしている。

 一行はその後飲食店に移動し「合格おめでとう」と、一足早く同期会を開催。主催した女子生徒(18)は昨年10月末にAO入試で合格したといい「早く決まるのは有り難いけど、正直ひま。今のうちに友達をつくらないともったいない」。栃木県出身で春から一人暮らしの墳本充広さん(18)は「友達ができるか不安だったけど、これで4年間楽しめそう」と笑顔を見せた。

 かつて大学の友人は、講義やサークル活動で自然とできたものだが、今や入学前にSNSで「○○大学 新入生」と検索するだけで、合格者が集まるネット上のコミュニティーにたどり着ける。登録すればすぐに掲示板で“同期生”たちと情報交換できる仕組みだ。

 入学前のネット交流が加速している背景には、入試制度の変化もある。

 文部科学省によると、2010年度に国公私立大に推薦やAO入試で入学した学生の割合は全体の44.2%。私立大に限ると51.4%と半数を超える。大半は前年秋に合格が決まり、長い「入学準備期間」を過ごす。

 学力維持のため課題を出す大学も多く、立教大に進学する千葉県習志野市の土屋遼太さん(18)はSNSを情報交換に活用。運営する新入生コミュニティには約450人が参加し、親しくなった人と「課題図書は何を選んだ?」などとメッセージを送り合っている。

 「一般入試で入る学生と差が付いていないか心配」と土屋さん。2月には学生生活について現役大学生らに質問できるイベントを東京都内で開催、今春入学予定の約120人が集まった。

 大学が独自にSNSを立ち上げるケースもある。関東学院大は2008年度から工学部の新入生向けにSNSを設立。一般入試組にも開放し、昨年度は約9割の新入生が利用した。同学部庶務課の担当者は「合格から入学までの時間が長いほど、逆に不安も募りやすい。過保護と思われるかもしれないが、入学前から友人をつくったり誰かに相談したりできる環境を整えれば、安心してもらえる」と強調する。

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