JASRAC包括契約、「他業者を排除」東京高裁

2013/11/1付
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 テレビ番組などで使われる楽曲の著作権管理事業を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の契約方法が同業他社の新規参入を妨げているかが争われた訴訟の判決が1日、東京高裁であった。飯村敏明裁判長は「他の事業者を排除する効果がある」と認定。独占禁止法に違反しないとした昨年の公正取引委員会の審決を取り消した。

 2001年の著作権等管理事業法施行で楽曲の著作権管理への新規参入が可能になった後も、JASRACは圧倒的なシェアを持ち続けている。高裁判決は独禁法違反の有無について確定的な判断をしていないが、JASRACのビジネスモデルに疑問を投げかけ、審理を事実上、公取委に差し戻した。

 問題となったのは、JASRACがテレビ局やラジオ局と結んでいる包括契約。JASRACに放送事業収入の1.5%を支払えば、290万曲近い管理楽曲を自由に使えるので、局側にとっては割安で便利な方法だ。

 一方、新規参入したイーライセンス(東京・渋谷)の契約は、管理する約5300曲の利用に応じて個別に使用料を受ける形。同社の楽曲を使うと余分な支払いが生じるため、結果的にJASRACの楽曲しか使われない状態になっている、と訴えていた。

 飯村裁判長はこの日の判決で「経費削減の観点から、放送局側が追加負担の要らないJASRACの楽曲を選択するのは自然だ」と指摘。一部の放送局でイーライセンスの利用を控えるよう社内通知文書が出ていたことにも触れ、「包括契約は新規参入を著しく困難にした」と結論づけた。

 ただ、独禁法違反が実際にあったとまでは認定せず、「独禁法違反の要件に当たるかどうかを判断すべきだ」と公取委に審判のやり直しを求めるにとどめた。

 今回の問題で、公取委は09年にいったんは独禁法違反を認めてJASRACに排除措置命令を出したが、JASRACの不服申し立てを受けて12年には一転して命令を取り消す審決をした。

 今後、公取委側が上告すれば、引き続き最高裁で公取委の審決の是非が争われ、高裁判決がこのまま確定した場合でも公取委が改めて審判を行うことになる。問題が決着するまでにはなお一定の時間がかかりそうだ。

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