自動車保険の回復半ば 損保大手、支払額高止まり

2013/5/21付
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 損害保険大手3グループの自動車保険の収益改善が道半ばにとどまっている。20日に発表した2013年3月期決算は3社とも全体では大幅増益・黒字転換となった一方、主力の自動車保険は実質赤字が続いた。高齢者の事故の増加など保険金の支払額が高止まりしているためで、好調な生命保険や海外事業が本業を補完する構図が鮮明となっている。

 東京海上ホールディングスの連結純利益は前の期の21倍の1295億円と02年の持ち株会社発足後の最高益となった。MS&ADインシュアランスグループホールディングスとNKSJホールディングスも最終黒字に転換。前の期に打撃だったタイ洪水の影響が消えた他、海外事業の伸びが保険料収入、利益をともに押し上げた。昨年秋以降の株高で保有株式の評価損が縮小したことも業績回復につながった。

 ただ、収入保険料の約半分を占める自動車保険は黒字転換できなかった。11年度に3グループで1000億円を超えていた赤字幅は保険料の引き上げなどで改善したものの、NKSJで約300億円、MS&ADも約20億円の赤字が残った。東京海上は数字上は黒字を確保したが「将来の支払いを織り込むと自動車保険は実質的にはまだ赤字」(藤田裕一常務取締役)という。

 自動車保険の採算が悪化したのは07年ごろだ。不払い問題を受け本来払うべき保険金を払ったのに加え、若者のクルマ離れや高齢者の事故の増加といった構造問題が悪化に拍車をかけた。「高価な電子部品が増え修理費用が高止まりしているのも一因」(NKSJの辻伸治専務執行役員)だ。

 今期に黒字化するには営業努力で保険料収入を伸ばすとともに、さらに経費を削り、支払う保険金も減らす必要がある。各社は「国内損保の引受利益の改善が喫緊の課題」(藤田氏)と位置づけ、中古部品を使って修理費を抑えたり、事務を効率化したりする対策を強化する。

 国内の損保事業で十分な利益を確保できないため、各社は海外や生保事業に活路を求めている。欧米で大規模買収に相次ぎ踏み切った東京海上は、海外事業の利益が11年度の408億円の赤字から804億円の黒字に大幅改善した。MS&ADもアジアを中心に保険料を伸ばし、海外事業で126億円の黒字を確保した。

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