原発活用、現実路線に エネルギー計画議論再開

2013/3/16付
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 政府は15日、中長期的な政策の方向性を定める「エネルギー基本計画」の議論を再開し、前民主党政権の「原発ゼロ」方針の見直しに着手した。エネルギーコストの低減と安定供給のため、原発再稼働を前提とする現実的な路線に転換し、年内をめどに計画を作る。燃料費と電気の値上げ幅を抑えるため、エネルギー源の多様化や流通・消費の効率化も議論する。

 経済産業省の総合資源エネルギー調査会の総合部会が新メンバーで初会合を開いた。民主党政権で33回議論を重ねた基本問題委員会は昨年11月を最後に議論が中断していた。部会長の三村明夫・新日鉄住金取締役相談役は記者団に「エネルギー政策の重要性が増しているため議論の場を格上げした」と説明。「原発再稼働の要望を提示する役割になる」と述べた。

 総合部会の議論をもとに政府がエネルギー基本計画を年内にまとめる。経産省はエネルギーの安定調達や原発の活用などの論点を提示。茂木敏充経産相は「安定供給とコスト低減に軸をおく」と説明した。原子力規制委員会の新安全基準と照らしながら、安全な原発の再稼働を織り込む。新基準の施行は7月になるため、どれだけの原発を再稼働できるかの見通しはすぐにはたてられない。原発などの電源構成比率は計画に盛らず、政策の大きな方向性を示す。

 放射性廃棄物の処分場確保や使用済み核燃料から燃料を取り出して再利用する「核燃料サイクル」の議論の場は総合部会とは別に作る。福島第1原子力発電所の廃炉対策や迅速な原子力賠償の議論も対象となりそうだ。

 エネルギー基本計画策定の前提として価格や地政学リスク、新興国の需要増も考慮した最適な資源調達体制を検証する。米国で新型ガス「シェールガス」が出て天然ガス価格が下落していることを踏まえて日本でも安く調達できないかを議論する。日本が海洋で初産出したメタンハイドレートなど新たな資源の実用化の可能性も見極める。

 流通・消費の効率化も焦点となる。流通面では電力システム改革が最大のポイントとなる。3年後の大手電力会社の「地域独占」廃止や、18~20年の発送電分離にあわせて計画をたてることになる。ピーク時の電気料を高くして需要を調整する「ディマンドレスポンス」の導入など消費面での効率化も目指す。

 初回は各委員がそれぞれに意見を表明した。長期と短期の施策を分けることや、人材育成、国民へのわかりやすい説明などが検討課題としてあがった。傍聴席からは脱原発派を減らした人選を批判するヤジが飛び、会場が騒然とする場面もあった。

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