EU、原発の安全性に課題 域内の耐性評価結果を発表

2012/10/4付
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 欧州連合(EU)の欧州委員会は4日、域内の原子力発電所に対する耐性評価(ストレステスト)の結果を正式に発表した。原発の稼働停止が必要なほどの重大な欠陥は見つからなかったが、「ほぼすべての原発で安全性の改善が必要」と結論。最大で2兆円超の安全強化の投資が必要となり、安全面で多くの課題が残っていることが浮き彫りになった。

 欧州委は東京電力福島第1原発の事故を受け、EU内で統一した基準で安全性を確認する必要があるとして、ストレステストを実施してきた。

 EUでは今回145基の原発を調査した。今回「数百の技術的な改善策」が見つかり、今後数年間で安全性向上に向け100億~250億ユーロ(約1兆~2兆5千億円)の投資が必要と試算した。欧州委は2013年初めまでに、原発安全規制改革を提案することも打ち出した。

 欧州委の作業報告書によると、フランスでは地震に対する耐久性が綿密に算出されておらず「規制当局はより体系だった評価をすべきだ」と指摘。さらに地震計測を向上させるべきだとも提言した。ドイツでは「北部の一部原発で地震計測機器がなく設置すべきだ」という。スウェーデンに対しては、「電源供給の信頼性を高めるべきだ」と分析した。

 スロベニア原子力安全局のストリッタール局長は日本経済新聞の取材に対し、「各国当局は既に改善に向けた取り組みを始めており、大きな政策変更はないだろう」との見方を示した。同氏は今夏までEUの原発規制当局の高官で構成する「ENSREG」の議長を務めていた。

 一方、ベルギーで8~9月に国内の原発2基にひびが見つかるなど、一部で原発の安全性について懸念も強まっている。

(ブリュッセル=御調昌邦)

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