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ベトナム原発商戦の「スジ」を読む
編集委員 竹田忍

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2011/1/10 7:00
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 ベトナム政府が同国南部のニントアン省で計画している原子力発電所建設プロジェクトの第2期分(ニントアン2)を日本の企業連合が受注することが、2010年10月31日の日越首脳会談で決まった。受注の受け皿となるのは電力9社、メーカー3社と産業革新機構が共同出資する国際原子力開発(東京・千代田)だが、どの方式の原子炉を採用するかは決まっていない。関西電力の八木誠社長に「世界の原発では関電が使っている加圧水型軽水炉(PWR)の方が、東京電力などが使う沸騰水型軽水炉(BWR)よりも優勢。勝算はいかが」とたずねると「オールジャパンで受注が決まったことに意義がある」とだけ話してあとは言葉を濁した。

関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。

関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。

 実際の方式決定に大きな影響を及ぼすのが事業化調査(FS)で、日本原子力発電が請け負った。原発にはいろいろな炉型があり、BWRなら改良型の「ABWR」「U―ABWR」「ESBWR」、PWRにも改良型の「APWR」「AP―1000」などがある。当然ながら日本原電は中立の立場で評価することが求められている。

 では今後の方式決定はどう進んでいくのか考えてみたい。経済成長に伴うエネルギー不足を懸念するベトナム側は、2050年までに総発電量の2割を原発で賄う計画を立てている。最新鋭の技術を盛り込んだ原発を求めている模様で、在来型のBWRやPWRの出番はまずない。

国際原子力開発の
(JINED)概要
社 長:武黒一郎
資本金:2億円  
出資者出資比率
(%)
北海道電力
東北電力
東京電力20
中部電力10
北陸電力
関西電力15
中国電力
四国電力
九州電力
東芝
日立製作所
三菱重工業
産業革新機構10

 国際原子力開発はオールジャパンを標榜(ひょうぼう)しているため、海外勢が関与している炉型も排除される見通しだ。AP―1000は東芝が買収した米ウエスチングハウス(WH)の技術に基づいていることと、蒸気発生器の製造を韓国・斗山重工業にいまのところ依存している点がネックになって難しい。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発に関与しているU―ABWRとESBWRも同様の理由で選外になるだろう。残るのは日本勢で開発したABWRとAPWRということになる。

 ベトナム側は原発メーカーだけでなく、運営ノウハウを持つ電力会社の参画を求めている。ABWRなら東芝または日立製作所に東京電力という組み合わせが最有力となる。APWRの場合は事情が複雑だ。国内初のAPWRは日本原電が2016年と17年に運転開始予定の敦賀原発3、4号機(福井県敦賀市)となり、出力はともに153万8千キロワット。PWR勢で国内最大手の関電は現状ではAPWRの運転ノウハウを持っていないため、メーカーの三菱重工業に日本原電という組み合わせとなる。

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