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阪大・浜ホト・トヨタが挑む「夢の発電設備」 レーザー核融合

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2011/9/6 7:00
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 また、トヨタがレーザー核融合の研究に参加しているのは意外と受け止める向きもある。ただ、トヨタの藤根学・先端材料技術部長は「どこまで研究をやるのかは決めてはいない」としながらも、「核融合はクリーンで将来のエネルギーになる可能性はある。自動車メーカーとしてサステナブルモビリティを目指しており、その一環として研究を進めたい」と強調する。トヨタは、核融合の研究で学んだ技術が水素をエネルギーとする自動車などの開発にも役立つと見ている。

レーザー核融合の研究で世界をリードする光産業創成大学院大学の北川教授

レーザー核融合の研究で世界をリードする光産業創成大学院大学の北川教授

 もちろん、レーザー核融合を使った発電技術の確立には長い時間がかかる。光産業創成大学院大学の北川教授は「今の技術を組み合わせても、発電は可能だろうが、20~30年かけて効率を上げる技術などを確立し、しっかり実用化したい。原発の安全性が疑問視され、再生可能エネルギーの活用が必要とされているが、やはり経済性を考えれば、将来的にレーザー核融合が日本経済を助けるはず」と指摘する。

 阪大の疇地センター長は6月、全米科学アカデミーのレーザー核融合の検討委員会に出席し、日本の取り組み状況を説明した。およそ20人の委員全員から熱心な質問攻めにされ、米国も日本の技術に注目を示しているという。

 もっとも、日本の研究体制は十分とは言えない。国内での核融合研究は「磁場とじ込め核融合」という方式が主流で、レーザー方式を研究するのは阪大などに限られている。研究予算も限られている。中国もNIF並みの研究拠点の建設を進めているとされ、急速に追い上げつつある。

 国内でレーザー核融合発電を実用化するにも、学術研究が目的である大学の範ちゅうを超える。来年のNIFの点火実験が成功すれば実用化に大きく前進するだけに、「国内でもレーザー核融合に力を入れるべきだ」と、疇地センター長は強調する。

 レーザー核融合は確かに遠い未来の話かもしれないが、浜松ホトやトヨタのような日本を代表する企業が参加し、世界でも注目される研究成果を出してきた。こうした流れをどこまで政府レベルで支援できるのか。究極のエネルギーであることは間違いなく、日本にとっては負けられない分野だと言えそうだ。

(浜松支局長 大西穣、産業部 牛込俊介)


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