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日本発の「超高純度鉄」 世界標準へ
編集委員 永田好生

(2/2ページ)
2011/2/25 7:00
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 研究組合の活動期間は2010年度までで、このまま事業段階への移行は難しい。国際標準の認定は、産業応用に向けて“つなぎ”の役割を果たすと安彦客員教授らは考えている。

 大学や企業が新たに開発する鉄系の材料の成分を分析する際、この超高純度鉄が基準になる。これまでの高純度鉄よりも精度の高い分析が可能になる。

超高純度金属用の炉は、不純物を除くため清掃作業が欠かせない(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)
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超高純度金属用の炉は、不純物を除くため清掃作業が欠かせない(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)

 データベースに登録されたことで、多くの研究者の目に留まるようになる。従来の鉄を上回る性質が広まれば、使おうとする研究者が現れる。すでにベルギーの研究者から「原子力発電の燃料棒用に最適ではないか」と問い合わせがあるようだ。

 これほどの超高純度鉄を作れる拠点は、東北大金属材料研究所(仙台市)と長崎にある試験炉の2つだけ。かつて米マサチューセッツ工科大学や独マックスプランク研究所、仏サンテティエンヌ国立鉱山大学など名だたる金属研究グループが挑んだが、せいぜいグラム単位の高純度鉄ができた程度。80キログラムは驚異的といえる。

 先進国で金属の基礎研究が廃れてきたとはいえ、標準物質に対する意識は欧米研究者の間で高い。その欧米の研究者から、世界標準の鉄を作る研究拠点として日本は先頭を走っていると認められている。安彦客員教授はこれを機に、これまでのノウハウを次の世代に引き継ぐ国際的な拠点を整備する構想を温めている。

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