波力や潮流・海流、海洋温度差、洋上風力などを利用して発電する海洋エネルギー開発が実用化・普及に向けて大きく動き出す。実験のネックになっていた実証海域の設定を政府が後押しすることを決め、今後自治体を公募する。実証研究プロジェクトもいくつも始まった。広大な海域を持つ日本での再生可能エネルギーの新たな切り札になる日は近いのか。
政府の総合海洋政策本部は5月下旬、海洋再生エネルギーを利用した発電のための実証海域を自治体と連携して2013年度中に選定することを決めた。海中や海上に構造物を設ける海洋発電は漁業や海運などに影響があるため、あらかじめ関係者と調整済みの実証海域を設け、実験を円滑に進めようという狙いだ。
海洋発電の実証は発電能力の検証だけでは済まない。海中に長期間沈める構造物は貝や海藻が付着してプロペラなどが動かなくなる恐れもある。重みで装置が沈む可能性もあるという。維持管理費も含めた長期の影響は水槽実験ではなかなかわからない。
日本は機械的な発電技術や造船で培った海中に沈める機器の密閉技術、貝などが付くのを防ぐ特殊な塗装など「個々の技術は最先端」。しかし、欧米に比べ日本は漁業権の調整が難しい。かつて実証場所を変更したプロジェクトもある。
沿岸部では海上交通も重要な要素。関門海峡で3月に潮流発電の実証実験を始めた北九州市と九州工業大は、関門は船の往来が激しいため岸辺の桟橋に発電装置を設置した。水深や潮の流れが十分でなく、本格実験に向けた調整を続けている。
技術はあっても実証実績がなければ世界市場に打って出られない。実験場の確保に時間がかかったり、場所が制約されたりする現状に関係者から「このままでは欧米に後れをとる」という声は数年前から出ていた。世界は実証海域の開設ブームといえる状態だからだ。
最も有名なのがスコットランド北のオークニー諸島の欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)。世界初の実証海域で、実験が海の環境を汚染しないようにする必要はあるが、漁業者との調整はほとんど必要ない。海底にはケーブルが引いてあり、発電プラントを設置すればすぐ実験できる。世界から実証実験が集まる。川崎重工業もEMECで潮流発電の実証実験をする予定だ。
EMECだけではない。欧州では05年以降に実証海域が相次ぎ稼働、イギリスのほか、スペインやポルトガルでも実証海域や計画がある。欧州には約30の研究機関と約40の実験施設が連携するネットワークもある。日本政府の実証海域も「日本版EMEC」との位置付けだ。
海洋エネルギー、EMEC、OPT、NEDO、三井造船、IHI、三井物産戦略研究所、川崎重工業、東芝
政府が3年後の電力小売り自由化の方針を示すなか、全国26の自治体が保有する「自治体水力」の存在感が高まっている。多くの自治体は地元電力会社と長期供給契約を結んでいるものの、新電力からは貴重な安定電源…続き (5/20)
熱気球に乗って初めての無着陸世界一周を1999年に実現した人物が、今月初旬に新たな冒険へと出発した。スイス人の飛行家、ベルトラン・ピカール氏(55)。新たなミッションは、太陽エネルギーの力だけで飛ぶ…続き (5/13)
農林水産省が3月31日付で、農地に太陽光発電施設を設置するための運用方針を示した。支柱を立ててその上にパネルを取り付ける方式で、支柱の基礎部分を農地の一時転用許可の対象とした。転用期間は3年間で、問…続き (5/6)
各種サービスの説明をご覧ください。
・狙え日本株 ソニーは前哨戦
・日本工営、ダム省エネ管理 小水力発電を導入
・TDK、5割小さい車載用ノイズフィルター開発
・JXエネ、給油所で顧客識別 油外商品の売り上げ拡大へ
・養命酒製造が美容飲料、まず関東限定で販売…続き